本ページでは水産資源解析学や水産資源管理学を初めて学ぼうとする人に入門書を紹介します。
魚類などの生物資源が持続的に利用できることは経験的に分かっています。 例年秋になるとマツタケ取りの名人がメディアに出演して,発見した株の全部を取らず 1本は残すという話をしています。残しておけば翌年また取れるからです。しかし、 残す本数は何本が最適なのかといった数値があれば、より一層効率的な生産が期待できます。 魚類などの年齢・成長、成熟・産卵、生存率等の科学的データから、 理想的な漁獲のあり方を数値的に探求する学問分野が水産資源解析学です。 |
水産資源には、1)更新性、2)変動性、3)無主物という3つの際立った特色があります。 1)石油等の化石資源と異なり子孫を生んで自ら更新するので持続的利用が可能になります。しかし 2)自然変動の影響を受けるので工業製品のように計画的に生産することが難しく、 いわゆる大漁貧乏も起こります。 また3)水産資源は漁獲したときに所有者が確定します。このため漁獲量制限があるときは特に、 資源の先取り競争が激しくなり無駄な経費が発生します。こうした点を踏まえ、水産資源の有効利用と その管理方策を、学際的に探求する学問分野が水産資源管理学です。 |
「新訂 水産資源解析学 (水産・海洋ライブラリ)」(2012) 田中栄次(著), 成山堂書店
「水産資源解析学」(2007) 山田作太郎,田中栄次(著), 成山堂書店
「水産資源解析の基礎」(2007) 赤嶺達郎(著), 恒星社厚生閣
「水産資源管理学」(2015)田中栄次(著), 自費出版 (無料でPDFを配信しています→) PDF
「漁業管理のABC」(1998) 櫻本和美(著), 成山堂書店
「魚の資源学」(1983) 川崎 健(著), 大月書店