資源環境動態学研究室

TurboMAP（Turbulence Ocean Microstructure Acquisition Profiler、乱流微細構造プロファイラー）は、当研究室の山崎秀勝教授、ヴィクトリア大学（カナダ）のロルフ・ルエック博士（現、Rockland Scientific International Inc.、CEO）、アレック電子株式会社（現、JFEアドバンテック株式会社）によって開発されました。国産の乱流微細構造プロファイラーとして、1996年に初代のTurboMAPが開発・販売されて以来、改良・改善を重ね、2013年9月現在、5種類のTurboMAPが存在しています。

TurboMAPの特徴は、従来のプロファイラーが乱流のみに焦点を当てていたのに対し、乱流に加えてプランクトンの分布を精細に捉えることができる点です。物理・生物パラメーターを自然状態のまま、且つ高い解像度で同時観測することができ、学際的研究に大きな飛躍をもたらしました。

TurboMAP-Gliderは、TurboMAPの後継として開発され、水平に近い状態で滑空しながら海洋の微細構造を捉えます

従来の自由落下式と異なり、滑空することで鉛直的な解像度を高めるとともに、海洋フロントといった海洋上の"筋目（すじめ）"を滑空しながら横断することで、異なる水の塊りの境界面で生じ得る物理・生物的現象を精細に観測することが期待されます。

詳細な情報はメンバーページへ　Foloni Neto

YODAプロファイラー（Yoing Ocean Data Acquisition プロファイラー）は、沿岸域の海洋構造を精細に観測するために、当研究室で開発されました。沿岸域の現象は比較的小さなスケールで短時間の変化を見せます。そのため、これを観測する測器も、コンパクトでフレキシブルなものが必要です。2~3人規模の作業で、船を停めることなく、高い解像度の鉛直断面図が描けます。

詳細な情報はメンバーページへ　増永

CTD（Conductivity、Temperature、Depth）は世界的に最も標準的な海洋観測器です。水温計や電気伝導度計だけでなく、任意のセンサーをマウントすることで様々なカスタムが可能です。また、観測と同時にボトル採水ができる点は、CTDを使う最大のメリットのうちの一つと言えるでしょう。

UCTDは、CTD観測を短時間で多くのポイントで行いたいときに使用します。センサーは電気伝導度、水温、圧力の３つのみに絞り、落下速度を高めるため円筒形のスリムなボディをしています。YODAプロファイラーと同様に、船を走らせながら上げ下げを繰り返しますが、UCTDは外洋域を主な対象としている点で異なります。

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XBT、及びXCTDは投棄式の観測器です。船を減速・停船させることなく1000m程度の鉛直プロファイルが得られ、安価で使用方法も簡便であるため、世界中で広く普及しています。定期旅客船で実施され同じ海域を長期間にわたってモニタリングしているケースもあり、大規模海洋現象の理解に大きく貢献していると言えるでしょう。XBTは水温のみ（水深は落下速度から計算する）、XCTDは電気伝導度、水温、圧力を測定します。

ADCP（Acoustic Doppler Current Profiler）は音響ドップラー効果を利用して水中の流向と流速を測定します。魚群探知機と同様の機構を有しているため、当研究室では音波の反射強度から魚群や動物プランクトンといった生物的なシグナルを読み取ることにも利用しています。