資源環境動態学研究室

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国立大学法人 東京海洋大学

TurboMAP lowered into the ocean
TurboMAP 投入

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専門的な情報は、論文ページもしくはメンバーページをご覧下さい

TurboMAP-Glider

TurboMAP-Gliderの投入

海洋は、大気の影響で絶えず成層・混合を繰り返し、この結果として海水の特性(水温、塩分、クロロフィル、乱流 等)は層状に分布します。また、層の境界面は潮汐の影響で海面のように波が生じ、様々な物理・生物的現象を引き起こすと考えられています。当研究室では、このような現象を多角的に捉えるために、海洋グライダー(TurboMAP-Glider: Turbulence Ocean Microstructure Acquisition Profiler-Glider)の開発と運用を行っています。TurboMAP-Gliderは、海中を準水平(水面からの傾き約15度)に滑空し、水温・塩分・乱流といった物理現象と、植物プランクトン・濁度といった生物現象を同時観測します。乱流のような小さなスケールの水の流れに対して、プランクトンがどのように反応するのか、当研究室ではTurboMAP-Gliderを用いることで、海洋生態系の基礎となる現象の解明を目指しています。

詳細な情報はメンバーページへ Foloni Neto

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Phytoplankton(植物プランクトン)

珪藻の鎖状群体

海洋には目に見えないくらい小さな動物プランクトンから、巨大なクジラまで生息しています。大きさは1ミリメートル以下から10メートル以上まで、大きな広がりを持っていますが、そのほとんどは植物プランクトンによって支えられています。海洋の植物プランクトンの基礎生産量 は、陸上の植物全体に匹敵するといわれています。自然下のプランクトンの生態は知られていないことが多く、雌雄の判別や捕食―被食の関係など、複雑な相互作用があるようです。

現在、当研究室では植物プランクトンのパッチ構造に着目しています。パッチは1ミリメートル前後の大きさで、プランクトンの世界では重要な役割を持つと考えられています。

詳細な情報はメンバーページへ 田中

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Biogenic Mixing(生物混合)

八景島シーパラダイスおける生物混合の実験

海洋生物は海洋を混ぜるのか?現在、このテーマは活発に議論され、2つの主張があります。一つは、1)海洋生物は海洋を混ぜる。そしてもう一つは、2)海洋生物は海洋を効果的に混ぜない。海洋における混合のメカニズムは、物理的要因(風や潮流)と生物的要因(生物の日周鉛直移動や魚群の回遊)が考えられますが、後者の要因は長い間考慮されずにいました。

当研究室では上記の問いに答えるため、水族館の水槽で生きた魚を用いた観測実験を行いました。この実験は、横浜八景島シーパラダイスの職員の方々の助けによって成功しました。

詳細な情報はメンバーページへ 田中

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Coastal Research(沿岸域)

大槌湾に浮かぶ調査船

沿岸海域と外洋間における栄養塩や堆積物の輸送は、地球規模での生物生産や生態系に重要な役割を果たしています。浅い沿岸海域は、我々の生活と隣接した海域です。しかしながら、この海域での物質の輸送過程や生物生産に関してはあまりよくわかっていません。

そこで私たちは、以下の3つを中心に研究を行っています

  1. 観測測器の開発
  2. 実海域での観測とそのデータ解析
  3. 数値モデル

これらの研究による成果から、沿岸海域へ伝搬する内部波は栄養塩や堆積物の輸送に強く関わっていることが分かってきました。

詳細な情報はメンバーページへ 増永

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Infrared Camera(赤外線カメラ)

赤外線カメラで撮った水面の温度分布

海洋観測において水温分布を調べたい場合は、通常、水温計を用います。水温計は、あるポイントで鉛直的に水温データを計測しますが、海洋の現象、例えば海洋フロントは水平的にダイナミックに動きます。それゆえ、これまでの水温計を用いた場合には、対象とする現象を正確に把握するのは難しいことでした。

当研究室では、より多角的に現象を捉えるため、通常の水温計に加え、赤外線カメラを用いて海洋表面の水温分布を水平的に計測しました。上の図は赤外線写真の一例です。現在、黒潮域において得られた赤外線写真を解析中です。また、気球を用いて、上空から海洋フロントの赤外線写真を撮ることを試みています。

詳細な情報はメンバーページへ 古山

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3次元的な水温・塩分分布の推定

3次元の水温分布と漁業のイメージ

三陸沖の漁業において主要な魚種であるサケは、冷たい親潮の南下と共に三陸に近づき、母川(例:大槌川)に回帰するところを定置網等で漁獲されます。しかしながら、親潮が南下せず、三陸沖の水温が高いとサケが三陸沿岸に近づけないことが指摘されています*1)。また、サケは表層から数100mの水深まで日周鉛直移動(昼間は浅く、夜間は深く)を行っていることが観測されており*2)、水平的だけでなく、鉛直的にも広く分布・回遊しています。

サケに限らず、同様に多くの外洋性魚類は3次元的(水平的・鉛直的)に広く大洋を移動しており、さらにその行動は3次元的な水温・塩分分布の影響を強く受けていることが知られています。

当研究室では、複数の人工衛星データと現場観測データを複合的に利用することで、3次元的な水温・塩分構造を準リアルタイムに推定し、この情報が漁場の特定やアシミュレーション等に活用されることを目指しています。また本ホームページでは、東北沖海域の水温・塩分分布の速報値を公開しています。

*1)http://www.press.tokai.ac.jp/webtokai/uminiikiru11.pdfOpens in new window

*2)http://salmon.fra.affrc.go.jp/kankobutu/srr/srr007_p08-11.pdfOpens in new window

詳細な情報はメンバーページへ 岡本

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Ocean Modeling(海洋モデル)

伊豆大島周辺の衛星画像に、モデル結果を重ねた図

当研究室では、大きく分けて2つの研究領域があります。1つ目は、ミクロの世界でプランクトンが乱流に対してどのように振る舞うのかを研究する領域。2つ目は、内部潮汐や黒潮といった大きなスケールの現象はどのようにローカルな海洋物理的特性(乱流や成層)に関係しているのかを研究する領域です。これらを理解することで、大きなスケールの現象がプランクトン生態系に対してどのように、またどの程度の影響を及ぼすのかを探求しています。

海洋モデルは、計算結果を実際の観測データと照合することでコンピュータ上に描かれた海洋現象が真実に近いものであるか検証します。モデルを使用することで、観測された海洋現象のメカニズムを究明します。また、特定の条件下ではどのような海洋現象が生じうるのかを予測します。

詳細な情報はメンバーページへ Nugraha

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