ESD(科研費)の活動報告~2016年度(平成28年度)版~

 昨年度(平成28年度)のESD活動(主に科学研究費助成金 15K00654 を使用)をまとめると、
下の6項目に分けられます。

1.江戸前の海をより理解するための自然科学的研究である「ふるはま」サンプリング
2.小学生低学年を対象とした ESD活動で、海や海洋生物に親しんでもらうこと(気づき)が目的の
  「ちりめんモンスターを探せ!」
3.中学生以上を対象にしたESD活動で、「透明骨格標本」を利用した二つの種類の講座を実施
4.ESD活動の一環として、私(河野 博)があちこちで開催している「江戸前の海に関する講演会」
5.特別な機会の講演やポスターによる参加
6.成果としての「学会発表」や「論文」による成果の公表

 これらの詳細は下のとおりです。

1.ふるはまサンプリングは2016年 4月22日(金)から、毎月、大潮の前後で実施しました。2016年度は、
  1回に2日をかけ、ほぼ連日おこないました。採集方法も、地曳網や定置網、タイドプールでの採集、
  あるいはボサかごなど、多岐にわたっています。2016年度は、合計日数で24日におよびました。

      

2.ちりめんモンスターを探せ!は 3回おこないました: 7月23日(土:港区立麻布図書館、参加人数 21名+
  保護者や弟妹の飛び入り多数名)、7月23日(土:港区立三田図書館、参加人数 26名)、9月7日(水:
  港区立高輪図書館分室、 参加人数 15名)。これらのイベントではアンケートをとり、まとめています。

      

3.透明標本による活動は、1)「透明骨格標本をつかって魚と私たちの関係を知ろう」と2)「透明骨格標本を
  使って海の中の「喰う・喰われる」を体験しよう」の二つのテーマで実施しました。回数は、前者は4回、
  後者は3回です。すべて事前と事後のアンケートをとり、前者については論文にして、透明骨格標本の
  有用性を検証しました。

       

4.江戸前の海に関する講演会は4回でした。テーマは「江戸前の海の物語 その① 縄文時代から江戸時代まで」
  や「その② ここ100年の変化」、その④に相当する「東京湾の魚たち」です。

       

5.特別な機会として、「港区の生物多様性ネットワーク」への参加や「尼崎(兵庫県)運河オープンキャナル
  フェスティバル」、「ふるさとの浜辺公園」を舞台にして研究をしている人たちの大集会、宮崎県の都井中学校
  でのワークショップ「10年後の都井のあるべき姿」、「みなと生物多様性パネル展」、さらに「東北マリン
  サイエンス拠点形成事業」の勉強会などに参加し、講演やワークショップの指導、ポスターによる参加などを
  おこないました。これらの活動は、これまで蓄積してきたESD活動の応用であると考えています。

6.論文は3本発表しました。2つは東京海洋大学研究報告第13号に載っています。一つは透明標本の環境教育での
  有効性で、もうひとつは京浜島の魚類相です。これらの論文は東京海洋大学学術機関リポジトリでみることが
  できます。さらにもう一つは、ふるはまの魚類相で、日仏海洋学会の雑誌である La merに掲載されています。
   さらに9月24日と25日に開催された日本魚類学会年会でポスター発表を2つおこないました。また、11月26日に
  開催された「稚魚研究会」で学生たちが総出で「ふるはま研究の紹介」をおこないました。



ESD(科研費)の活動報告~2015年度(平成27年度)版~

 2015年度(平成27年度)の ESD 活動 (主に科学研究費助成金 15K00654 を使用)をまとめると、下の8項目に分けられます。

1. 江戸前の海をより理解するための科学的研究である 「ふるはま」サンプリング
2. 小学生低学年を対象とした ESD活動で、海や海洋生物に親しんでもらうこと(気づき)が目的の「ちりめんモンスターを探せ!」
3. 「透明標本を利用して『海の中の喰う・喰われる』を見てみよう」は、生きたプランクトンを観察するだけではなく、二重染色
 骨格透明標本の消化管内容物を解剖して、海の中の食物連鎖を勉強するESD活動
4. 高校生を対象とした講義 「透明骨格標本を使って考えてみよう」
5. ここ数年続けている「みなと塾」
6. 私(河野 博)の「江戸前の海に関する講演会」
7. 成果としての「学会発表」や「論文」による成果の公表
8. 広報やテキストなどの印刷物


1. ふるはまサンプリングは2015年 4月16日(木)から、毎月 1回下旬の大潮あたりで実施しました。2015年度は、海浜と干潟の2か所
 だけを、地曳網で採集しました。毎回、2回の曳網で、合計の採集回数は12回、曳網回数は24回です。ただ、2016年度に備えて、
 定置網や他の採集方法を実施するため、2016年 3月には 2回実施しました(曳網回数は、計25回)。

       

2. ちりめんモンスターを探せ!は 3回おこないました: 7月4日(土:立川市立若葉図書館、参加人数28名)、7月22日(水:港区立高輪
 図書館分室、参加人数9名)、8月6日(木:港区立三田図書館、 参加人数 23名)。なお、これらのイベントではアンケートをとっていますが、
 それらは現在まとめて論文を作成中です。

       

3. 透明標本による喰う・喰われるは7回(7月12日、28日、8月1日、10月3日、25日、31日、1月30日)実施しました。このうち港区立
 図書館での開催が2回、港区の教員研修講座で1回、オープンキャンパスと大学祭(海鷹祭)で3回、港区知生き人養成講座で1回
 でした。すべての回で事前・事後のアンケートをとり、この方法の有用性を検証しています。

      

4. 高校生(奈良学園と神奈川県立海洋科学高校)を対象にして透明標本を使った授業をおこないました。内容は、消化管の内容物を
 観察する「喰う・喰われる」に加えて、「顎弓や舌弓からみた魚たちと私たちの関係」について、実際に透明標本を見ながら勉強しました。
 参加者は奈良学園が5名、神奈川海洋科学高校が26名でした。

       

5. 2015年度のみなと塾は、11月28日と29日、12月5日と6日と2週にわたって週末に4回開催しました。今年のテーマは「江戸前の海と船を
 知ろう!」です。私(河野 博)をふくめて4名の講師によるお話と、ワークショップとしては「江戸湊のあるべき姿とは」を題材にして、参加者
 全員で語り合いました。

    

6. 私の講演会は3回(港区立港南図書館で2回と江東区の豊洲文化センター)でした。参加者は総計80名ほどでした。

7. 論文は2本発表しました。二つとも東京海洋大学研究報告第12号に載っています。一つは透明標本の環境教育での有効性で、もう
 ひとつは千葉県の富津の魚類相です。これらの論文は東京海洋大学学術機関リポジトリでみることができます。
  さらに9月4日~6日に開催された日本魚類学会年会でポスター発表を3つおこないました。

8. 2011年に実施したみなと塾で作成した東京湾の水質、プランクトン、海藻、魚類、鳥類のテキストを一つにまとめたものを作成しました。
 ちりめんモンスターを探せやプランクトンの観察、あるいは透明標本の消化管内容物の観察などのテキストとして利用しています。さらに、
 「東京海洋大学江戸前ESD協議会」の活動をまとめた冊子の改訂版も印刷しました。これらは、HP上でPDFにして公開しようと考えて
 います。