2009年以来,4年ぶりにダッカに来た.例によって,JICA交通計画絡みである.
この4年間でも,だいぶ人口が増えたようである.都市圏の定義が難しいので,
ダッカ市の人口だけで見ても,2001年850万人が,2011年に1,200万人とか.
それ故,世界最悪の交通渋滞も,施設供給不足で悪化している.

また,今年は5年に一度の総選挙の年でもあり,割と物騒な事件が多いそうだ.
日本人も,4月だけで2件被害に遭っている.JICA事務所でブリーフィングを受けた.





渋滞対策の一つが,交差点の立体化で,"Flyover" と呼ばれ,あちこちに無計画(?)に
作られている.平面道路部がキチンと整備され,信号が守られるのであれば(ダッカでは
誰も信号を守りません...),それほどFlyoverのニーズは高くないと思うのだが.





現役のバスです.昨今は,殆どはインド製だそうです.
さて,こんな乱暴狼藉運転バスや,命知らずの歩行者がいる街中を運転するとどうなるか.
もちろん自分の運転ではないが,今回の運転手のdrivingぶりを動画で.
  Drivin' in Dhaka part 1
こんな運転シミュレーションゲームがあると面白いかも.「逆送rickshaw」,「突然目の前を
横切る歩行者」「信号無視で交差点に突入する車両」などなど.でも,妙な癖が身につくと
大変かも.





市内北西部の,Saver付近には,製縫工場が多く立地している.今年4月に,その工場の
一つが超過重に耐えられずに崩壊し,1,000人以上が亡くなった事件が記憶に新しい.
これは,製縫工場から勤務を終えて出てくる女工さんたちだ.今のバングラの経済成長や,
労働環境の断面でもある.





いつもの通り,GPSロガーで走行記録をとる.左の上が数年来,使っているWintecロガー.
その手前は,加速度なども記録できるアプリを搭載した研究室のスマホ.ダッカの道路の
凹凸状況を解析してみます.
さて,記録したGPSのうち,6月25日(火)の図を以下に掲載します.実はこの日は祝日でした.
前日の夜から,夜通しでお祈りをして,当日は皆,昼過ぎまで寝るのだそうだ.街中も,
『ここはどこ?』と思ってしまうくらい,道路はがら空きでした.





中央左下にダッカ国際空港を確認できるが,そのまた下が中心部である.黄色の囲みは
計画されているニュータウンで,西の "Uttara 3"は50万人,東の "Purbachal"は154万人,
2050年の予想人口だ.合わせて名古屋市ぐらいの人口となる.
また,Uttara 3に至る南北の公共交通としては,円借款700億円によるMRT6号線が
契約済みだ.関連URLは以下の通り.
http://www.railplanet.net/archives/2186
http://www.youtube.com/watch?v=-raFs0BSois
http://www.youtube.com/watch?v=ySocY9dDU6w
http://www.youtube.com/watch?v=RlaOiEpUjNA





Uttara3近くの開発が進みつつある地区.この国のことなので,想定通りの人口増が実現するかも
知れない.となると,交通社会基盤の整備が急務である.
それに加えて地震対策.ここダッカは,約100年に一度は大地震を経験するとか.しかし,今の
ダッカ市街地が形成されたのは100年に満たず,殆ど地震未体験と見なせる.最後の大地震から
110余年が経過しており,心配の種の一つである.関係者によれば,耐震構造の建築物が少ないので,
震度6クラスで,死者200万人の恐れもあるとか.この写真のマンション群は大丈夫?





Purbacha地区の様子.ニュータウン中央を縦断する広幅員道路が作られようとしている.
道路の周りでは,何故か開発予定地に電柱が林立している.土地割りのためか?

さて,この周辺の既存地方道を走行するときの動画はこれ.
  Drivin' in Dhaka part 2
追い越しに執念を燃やすドライバーでした...





インドと東南アジアの境にあるため,線路のゲージも混在している.広いのが,インドの
広軌(1,676mm),狭い方がメーターゲージ(1,000mm)でしょうか.列車を見かけないときは
物売り場になっていたりもします.





ダッカではCNGが主流だとか.今回利用した車も,燃料計がいつもEを指していておかしいと
思ったら,ガソリンではなかった.これはCNGステーションでガス充填しているところ.
ガス代は,約30[TAKA/立方メートル](=40円)ぐらいだ.でも,燃費は不明.





みなれた,バス停・マーケット前の大渋滞である.朽ち果てたバスの写真を掲載したが,
中にはこんなキレイなバス動画もあります.今計画されている,BRT(Bus Rapit Transit)
を意識した連結バスなんだそうだ.







今回,初めてシンガポール航空のビジネスを体験しました.B-777なのに,4列だけで,
殆ど個室間隔です.これは往きの成田発便.

帰りはシンガポールから成田まで,A380初体験でした.Upper Deckのシートでしたが,
まぁこの写真より若干,幅が広いシートでした.
欧米への往復,いつもこんなシートで移動したいですね.全く疲労の度合いが違います.