今回は,交通モデリングなどのヒアリングでドイツへ.カールスルーエ,バーデン・バーデン,
フライブルグ,マンハイムの諸都市を現地滞在3泊の最短旅程で回る.この短さだと,
時差ぼけにも悩まされることがなく,欧州であれば現地で早起きになるので,割と便利な
行程といえる.
ここが旅の出発地,カールスルーエの駅前だ.トラムやバスが同じホームを利用する.大変な
高頻度サービスで便利そうだ.これは朝8時頃.高緯度地方なので,まだ暗い.

そういえば到着した時に駅からホテルまで利用したタクシー,乗ったとたんに
「今年,日本に2週間旅行したよ.東京,京都,広島も良かったね〜.韓国にも行った
けど,今度は沖縄に行きたいな」と運ちゃんに話しかけられる.
ユーロが高かったせいでしょうか...
これが訪問先のPTV社.交通マイクロシミュレーションVISSIM開発で有名になった,
大学研究者が始めたベンチャー企業だ.今では,この業界でも大手になっている.
ドイツやEUにおけるモデリング,交通調査などについてヒアリングする.
カールスルーエは,フランクフルトから高速鉄道で1時間ほど南の街.大学を中心とした,
ドイツらしい落ち着いた佇まい.すぐ南東部にはシュバルツバルトが広がっているので,
写真の通り,森の中の街.中心地には,トランジットモールもあり,活気に満ちている.
そのトランジットモールの動画はこちら.
今回も自転車道を中心に紹介したい.
これはカールスルーエ郊外のTramと自転車道ですね.日本と同様の歩道内に自転車道が
あるパターンだが,段差がなく,スムーズな走行に配慮されていることが分かる.
ドイツでは自転車道のカラーリングは赤だ.しかし,これは自転車道を塞ぐように路上駐車が
されており,ドイツとはいえ,運用が不十分である例.
これもそうだ.路上駐車と自転車道の折り合いをつけることはどこでも難しいようですね.
市街地の裏道の車両一方通行路でも,最低限の自転車走行空間が確保されることが多い.
見ていると,かなりな高速であちこちの裏道を走っている.
「裏道自転車道ネットワーク」というコンセプトも重要かも知れない.
子供を乗せる台車.よく見かけます.日本でも「子供乗せ自転車」の検討が,現在,
鋭意進められている.安全な3人乗り自転車をどう作るか,そしてそれがどこを
走るのか.幼児を持つ母親のサポートとなるプロジェクトです.
これはドイツ郵便配達の自転車.電動アシスト自転車で,さすがにスタンドもがっちりしています.
自転車道の課題の一つが交差点部のデザイン.日本では見かけないが,これは右折車両と
直進自転車との交錯を避ける工夫.自転車レーンを分かりやすく分離している.
これはマンハイム中心部の交差点.丁寧に,右折自転車専用レーンまで設置してありますね.
この交差点を含む,マンハイムの中心広場の動画はこちら.
しつこいようだが,せっかく自転車道を設置してもルールを守らなければ水の泡.
きちんと信号を守っている.
カールスルーエからフライブルグに行く途中,バーデン・バーデンに立ち寄る.
ここは森の中の小高い丘に展開する温泉町であり,大変美しい街並みを誇る,ドイツ有数の
観光名所である.
雨だったので,光線には恵まれず,写真の出来はイマイチでしたが,一泊はしてみた
かったです(今回は,3時間の滞在でした).多分,夜の演出にも魅力がありそうです.
ということでフライブルグに着いたら,天気も良く,暑かった.
「環境都市・フライブルグ」ということで,やたらと自転車利用者が多い.市内は,
どこを見てもこんな風景かな.
分かり難いが,交差点の横断部分,わざわざ自転車と歩行者を分離し,信号までそれぞれ
設置している例.歩行者信号が先に赤になり,数秒おいて自転車も赤に.ずいぶんと
細かい配慮です.
車道から歩道への自転車道の移行.自転車が走行しやすいラン.カーブとなっている.
まだ日本では,これができない.自転車走行速度に対する理解が不足しているといえよう.
フライブルグは公共交通,特にトラムの街でもある.ここは旧市街の中心地で,何と
トランジットモールの交差点となっている.兵藤もさすがに初めて目にした.
その動画はこちら.自転車が多いことにも留意.

そして,歴史建造物(?)の下をくぐるトラムの動画はこちら.
いかにもフライブルグらしい光景です.
天気が良すぎたのか,夕立もありました.しかし,雨の中とはいえ,自転車にこだわる人たち.
傘がおしゃれですね.雨や雪と自転車のつきあい方には,日本とは違う習慣があるのかも
知れない.この辺りは,欧州型とアジア型との相違に注意する必要がありそうです.
今回は,わが国のブームに便乗して,自転車道シリーズとなりました.
この機を逸することなく,自転車道の設置やデザインについて,よりよい情報提供を
心がけたい.


最後はおなじみのインターバル撮影.これはフライブルグのホテルから撮った,
中心駅付近のターミナルの様子.トラム,バスなどが高頻度で運行されていますね.
実は,ウロウロ歩いている兵藤も,この中に含まれています.