2008年以来のイスタンブール.変化の激しい都市なので,5年経過するとビックリすることも多かった.




これは今回業務の紹介です.イスタンブール市の計画部局で,City Logistics について日本の事例を話す.
プレゼン・質疑など,二日間で合計7時間は割としんどかった.半分程度,英土通訳を挟むので,時間がかかったようだ.





Workshopの会場は,市の中心,Taksim広場の地下鉄駅の構内にある.日本だと駐輪場にする空間でしょうが,良いアイデアかも.
普段はシャッターが閉まっています.





さて,そのTaksim広場,道路が地下化されており,ビックリ仰天した.つい1〜2ヶ月前に,このように全面,
車両進入禁止で,巨大な歩行者空間が現出したのだ.このビルからの動画はこちら.





広場に立って撮った写真だ.そういえば,Taksimというのは "Distribution" という意味だとか.何でも,この広場で,
地域別の投票が行われたためらしい.中に入れなかったが,広場には,投票所の跡が残されている.地域別の
投票用の穴が空いています.丸い蓋が掲げられた壁がそう.ここからの動画で確認して下さい.





これがTaksim広場の地下にできた,地下道だ.よく作ったなぁ〜 と感心する次第です.広場にあったバスターミナルも
なくなっている.道路脇にあったお店なども,移転補償で何とかどいてもらったそうだ.





イスタンブールおなじみの Transit Mall,Istiklal通り.一日100万人が訪れると言われたが,あながち大げさとも思わない.
以前に比べて,上空のデコレーションなどが増えていて,ますます華やかになったようだ.





この通りの歩行者密度である.以前も記したが,『世界で最も歩行者密度の高いmall』かも知れない.そんなことを
イスタンブール市の方に話したら,『日本の渋谷もスゴイらしいね』と言われた.結構有名なのかな,渋谷スクランブル?





今回の業務,City Logistics の観点からは,この巨大mallの物流について興味を持たねばならない.実は,この通り,
午前10時までは貨物車・一般車は進入可能である.見ていると,10時きっかりに皆いなくなる訳ではない.
Workshopも9:30開始 と書いてあったのに,実際に始まったのは10時過ぎ.トルコ人は時間にルーズらしい...
そういえば,このmallの石畳は損傷が激しい.『設計者が,歩行者だけ考えて,貨物車進入を考慮していないからだ』とか.





業務後,最初の散歩は,やはりガラタ橋である.橋からの美しい夕景ですね.後日の昼前の撮影だが,橋上からの
動画はこちら.





これも以前の写真で紹介しているが,ガラタ橋は下はレストランになっている.相変わらず釣り人も多いですね.





仕事も終わったので,夕景を見ながら,ガラタ橋レストランでビール.代表的なトルコビールの EFES です.
このレストラン,WiFiをタダで使わせてくれたことを思い出しました.





Workshop初日の夜,関係者とdinnerを共にした.このガラタ塔脇の,トルコ料理店.トルコ郷土料理店とかで,
色々な料理を取り分けしましたが,割と美味しかったです(兵藤は基本的にトルコ料理は評価しがたいが).





これはアジア側にフェリーで渡った,カディキョイ駅前の歩道.ちょっとカラー舗装などで,歩行者横断の安全確保の
跡が見受けられる.5年前の『イスタンブール編C』で紹介されていた,JICAによる歩行者支援プロジェクトの形跡だ.
その時の写真はこちらです.比較してみて下さい.分かりづらいかも.





イスタンブール市内,いたるところに,この手のポスターなどが貼られている.一番上のコピーは,
『どこでも,どこへもMetro』という意味なんだそうだ.これだけ急速に,軌道系公共交通施設が整備されるということ.
後で紹介する,2013年10月29日開業のMarmaray鉄道も,その代表例だろう.
Workshop時も,当方が,"Istanbul is treasure island for transportation planner" と言ったら皆さん,喜んでくれました.
ちなみに,右がエルドアン首相(元,イスタンブール市長)で,左は現在のイスタンブール市長です.





カディキョイ駅に展示されているブースだ.真ん中の電子掲示板で,整備プロセスの動画が流されている.何とかその動画を紹介したいのだが,
現時点で見つけられていない.そのうち,YouTubeにUPされるかな? 専門家にとっては,かなり興味深い映像です.





これはBRT駅です(Sisli駅.Taksim駅から地下鉄で北に二駅目のMetroにも接続).2008年当時は,BRTが姿を現し
始めた頃だったが,今では,市の中心部を東西に縦断するBRTが整備され,名前も "Metrobus" としてMetroの仲間入り.
ボスポラス第一橋を渡っているのに驚かされる.見ていると,BRT駅は4〜5編成分の長さが確保され,
この早回し動画の通り,一度に数珠つなぎに停車することが多い.一編成で定員が約100名だったので,5編成だと,
殆ど,定員500名のLRTクラスの容量となる.運行頻度も,約数分であり,かなり大規模な運行となっている.





ボスポラスのアジア側からBRTに乗り(最前席を確保するため,始発駅まで行く ← 良い映像のためには,それなりの
努力が必要なのだ),BRTでボスポラス第一橋を渡ってみた.これはアジア側の写真.

 ボスポラス橋手前の動画 渋滞を尻目にBRTが快走していることが分かりますね.
 ボスポラス橋横断中の動画 そうです.橋の上ではBRT車線は消滅して,一般走行となるのです.ちと残念.





ヨーロッパ側,Tram一号線(T1)との結節点,Zeytinburnu駅付近のBRT路線.撮影したのは,2013年10月11日(金)
16時頃で,実は翌12日から,トルコも含めたイスラム圏は20日まで9連休とか.連休前の夕方で,混雑していたようだが,
普段でも十分渋滞するのではないだろうか.このBRT駅歩道橋からの動画はこちら.





地下鉄駅のコンコースで見かけたサイン.これは,音楽演奏者の指定席らしい.写真では演奏者はいないが,
この指定席で演奏する姿をよく見かけた.





海峡部分では,大型のクルーズ船も多く見かけた.黒海と地中海を結ぶボスポラス海峡らしい光景だが,クルーズ船専用の停泊施設が
不足しており,貨物埠頭などに無理矢理泊めているのだそうだ.ということで,こんな場違いの風景となる.
東京湾でも同じ問題が顕在化していますね.





今回は珍しく丸一日休日があったので,2004年以来,久しぶりにモスクを見た.これはブルーモスク.
案内してくれたイスタンブール市関係者は,インターンシップの学生さん.ベルリン工科大の修士学生で,出身は
ルーマニア.数週間前から滞在中とか.なぜ,トルコが話せるのかと思ったら,祖父がトルコ人なんだとか.
これ以外でも,workshopで当方によく質問していた修士の女子学生は,イラン人だったり,食事で一緒だった
イスタンブール市職員は,モルドバの大学を卒業したトルコ人だったり... トルコが欧州と中近東のcross pointである
ことを実感させられました.





その cross point を象徴するのが,このアヤソフィアの,有名なイスラムとキリスト像の共存であろう.行くべし!





授業などで,欧州の Transit Mall における,tramと歩行者との共存事例を映像で見せることがある.実は,最初に
イスタンブールに来た2004年に,ここ(Barの二階だ)から動画を撮ったことを思い出し,同じアングルで再度チャレンジ.
その二階からの動画はこちら.2004年映像よりクリアにはなったが,タイミングはイマイチだ.
歩行者脇を走行する動画はこちら.やっぱり危ないですね...





その休日,初めてボスポラス・クルーズに乗りました(1.5時間で12リラ[600円]).ガラタ橋の脇から,ボスポラス第二橋までの
往復です.これは1973年供用の第一橋.イギリス製と記憶している.





こちらは1988年供用の第二橋.日本製です.今気づいたが,第一橋と殆ど同じデザインですね.専門家でないので分かりませんが,
意図的だったのか,デザインの自由度が限られているのか?





同じ休日の午後,試しにMetroの3号線の西側終点駅まで行ってみてビックリ.2007年の『イスタンブール編B』で紹介していた写真
後日談なんだろうか.駅周辺の大開発で,無数の集合住宅群を見かけることになった.これは Metrokent駅です.





Metrokent駅に隣接する団地.高級団地らしく,敷地に入るには専用ゲートを通過する必要があるようだ.
昭和40年代の田園都市線沿線の団地イメージか.





駅から東を見ると,こんな風景が広がる.イスタンブール市の膨張を印象づけるsceneですねぇ.





最後は新施設群を.これはガラタ橋の西に建設中の,地下鉄用の橋.ピアのデザインはモスクの尖塔(ミナレット)を
意識しているのだろう.なぜか,橋の中心に駅を作っている.ガラタ橋同様,ここでfishingするのだろうか?
数年後には完成して,次に紹介するMarmaray鉄道のYenikap駅までつながることになる.





日本のコンサル会社の方のご厚意で,2013年10月29日(90回目の建国記念日で祝日とか)に開業予定のMarmaray鉄道
のヨーロッパ側二駅を視察させて頂く.これは今回開業する5駅の中でも,最も立派とされる Yenikap駅構内です.
様々な遺跡をモチーフとしたモニュメントが配置されていて,とてもキレイだ.奥には,この付近で出土した,船の遺跡
モニュメントが見える(この船が出土した関係で,大幅に工事が遅れた.当初の開業予定は2009年とか).





Yenikap駅の改札階です.広大な空間が確保されており,実にスケール感の高い施設となっている.
開通式の夜,ここでカクテルパーティが開催されるとか.日本の某要人も国会の合間を縫って出席予定とか.
日本でもニュースが流れそうですね.





この車両がMarmarayトンネルを走行する.トンネル工事は日本(大成建設),しかし車両は韓国,電気施設はスペイン
というのは残念だが.




5年ぶりのイスタンブール,あまりに面白い対象が満載で,いつになく多くの素材を掲載することになりました.
数年後には再訪して,またまたビックリしたいものです!