8年ぶりにナイロビ出張です.今回はナイロビ市の都市開発案件.
まずはドバイ空港でtransit.この空港も久しぶりだが,巨大ターミナルがいくつも建設されており,
そのギンギラギンぶりにも驚かされる.この写真は第3ターミナルの玄関部分.
動画を見れば,その派手さが分かる.時刻は朝の5時頃だ.





ナイロビ市内の遠景.行く前に『8年ぶりだと,変化が大きくて,きっと驚きますよ』と聞かされた
とおり,ビル開発も進んでいる.この写真はCBDエリアだが,特に,撮影場所の背後の "Upper Hill"
と呼ばれる地域に,官庁や銀行などを主体とした新開発のビルが次々と建設されている.





視察に行った行程パス図を元に,簡単にナイロビのメモを.
ナイロビ市(Nairobi City County)の人口は現在,320万人程度で,一極集中型の都市である.南東から北西に,ケニア国の大動脈,
Uhuru highway (Mombasa road) が市の中心を縦断する.特に,広大な敷地を持つナイロビ駅と,西部丘陵地区の開発地域,Upper Hillが
この道路を挟む形になるため,迂回経路のないUhuru highwayに交通が集中し,大渋滞を引き起こすことになる.
その他,後述の Syokimau station,そして今回の出張直前に起きたテロ事件,Westgate Mall も地図内に記しました.





今回のmissionの一つ,Nairobi City County におけるlectureの様子.熱演されているのは,
九州大学の塚原健一教授です.二十世紀初頭に建てられた,由緒ある City Hall の議会場で
しょうか.





ナイロビ市のランドマーク,The Kenyatta International Conference Centre の高層ビル(30階,1969年竣工)だが,
今回,屋上に登頂できることを初めて知った.400ケニアシリング(500円強)です.皆でイソイソと
出かけました.





高校生と一緒に屋上から市内見学.天気もまぁまぁで,ナイロビ市内の開発の様子と同時に,
アフリカ大地の雄大さを目の当たりにすることができます.





当然ですが,ヘリポートがありますね.

以下は例によってパノラマ写真.







これはナイロビ中心部から南東に十数キロ離れたウフルハイウェイ沿いに昨年できた通勤用の駅
(Nairobi Commuter Railwayという組織が運営するSyokimau駅).ここから中心地のナイロビ駅
まで,朝夕のピーク時間に,各々,1往復半(一日合計3往復で片道所要時間は30分)する.
ケニア国鉄も関わる新しい試みだ.駅には300台のP&R駐車場が整備され,稼働率も80%以上だった.
鉄道容量は極めて限られているとはいえ,駅周辺開発も予定されており,今後の進展を見守りたい.
他にも同様の駅を建設中.





構内の吹き抜けに位置するモニュメント.駅名にもなっている,Syokimauという女性が,初めて
鉄道列車を見て,
 "Iron snake with many legs with fire in their pockets"
と口にしたのだとか...





これは市内で広大な敷地を有するナイロビ駅.鉄道貨物も旅客も利用量は限られているので,
閑散とした印象を持つ.市内の一等地に位置するため,今後の再開発が予定されている
("Railway City"構想).実現すれば,甚大なインパクトをナイロビ市にもたらすことになる.





今は,駅構内の南北移動経路はこの危なっかしい人道橋に限られている.市内の交通環境を
考えれば,駅そのものが移動の障壁になっていると見なせよう.





さて,道路ネットワークについてはこの図が詳しい(JICA資料).最近,様々なドナーによる道路整備が急速に進んでいることが分かる.
中国による主要幹線道路もさることながら,わが国の援助による中心部の整備も見逃せない(後述).





最近新設された道路,Thika Super Expressway を走る.6車線で時速100kmは軽く出せる
高規格の道路だ.中国の援助で作られた.8年前の同じ区間の写真はこちら.
ナイロビ道路ネットワークの骨格の一つとなっている.しかし横断する歩行者については
なおざりにされており,写真にある歩道橋が散在する程度 +α.





「+α」の一つ.所々でハンプが設置されていて,車両のスピードダウン+横断歩道 というシステムだが,
アブナイ.特に夜の事故が多いとか.





一日視察を行った9月26日(木)の,休憩時間を挟まない203分間の速度グラフです.縦軸は速度[km/時].流れるときは時速
50km超だが,渋滞にはまると全く動かない(100分前後で,完全停止が10分弱ある).このグラフの走行距離は59kmだったので,
平均速度は約時速17kmである.東京の平均速度は18kmと言われているので,ほぼ同じとなる.しかし走行実感からすれば,
東京より遅いと感じる.これは東京の渋滞が信号渋滞で,渋滞終了が概ね予想できるからだろうか.ナイロビの渋滞は,いつまで
どこまで続くのか分からずイライラすることになる.





市内西部で建設が進行中の集合住宅だ.ナイロビ市は都市人口が近い将来,400万人にも迫る大都市で,
なおかつ郊外道路の整備も進み,いわゆるスプロール化が大きな課題となりつつある.その一つの
受け皿として,このような大規模団地が必要となる.





しかし,同じ場所から左90度を見ると,このようなスラム(『キベラ・スラム』.中の様子は,
映画『ナイロビの蜂』で確認できる)が現存しており,手が付けられない状態とか(このスラムの
人口は30万人以上らしい).





8年前,JICAが社会実験を行った,"Westland" の今の姿.残念ながら,実験時に導入された
roundabout信号は今は停止していた.この実験が契機になったのか否かは分からないが,現在は,
市内の主要roundaboutには信号が導入されている.「Roundabout+信号」とは,必ずしも良い
組み合わせではないが,歩行者横断にとっては信号は不可欠だ.でも,信号を無視した交通警官
のmanual処理が横行しており,あまり信号導入の効果は見いだせない...





見かけた片側車線だけに設置された自転車走行空間.ナイロビの自転車需要は必ずしも高くない.
丘が多いので,自転車向きの土地ではないようだ.バイク走行は違反だと思います.





Westlandの西側で,日本の援助で作られた道路ネットワークです.ナイロビの道路では,歩道の
整備が遅れており,殆どが未舗装だが,さすがに日本の道路会社が作った道路,ちゃんとした歩道が
ありますね.あまり嬉しくない「自歩道+自転車横断帯」にしてしまうのが,『玉に瑕』.





夕食で,焼肉店を体験する.陳列された肉を指さして,それが焼き上がるのを待つ.生からの調理
なので,できあがるまで30分以上かかります.





ケニアのビールと言えばTusker.今回も,TuskerのTシャツをお土産に買いました.





帰国前の休日早朝,市に隣接するNational Parkでサファリ体験.入場料は40米ドルでした.
まずは朝日を背にしたキリンが目に入ります.





バッファローの群れも見かけたが,お目当てのライオンは姿をくらましており,遭遇できず.





今回は,出国当日に Westgate のテロ報道があり,どうなることかと心配したが,何とか予定通りの
業務遂行となりました.500人以上現地滞在している日本人から犠牲者が出なかったことは
幸いでした.今後も同様の事件発生が危惧されています.
さて,二ヶ月前に空港ターミナルが火事になったため,出国ラウンジはこのテントです.
4つ並んでいましたが,足りるのかなぁ? 新ラウンジの早期竣工,願っています!