世界交通学会(WCTR)参加のため,ブラジルに行ってきた(南米は初めてだ).これは半日のトランジットが
あったNYです.2年前に時間がなくて行きそびれた宿題,High Line です.マンハッタンの西端の10番街
あたりを南北に走る旧鉄道高架を遊歩道などに転換した開発事例.





こんな感じで,市民(+観光客)が大勢たむろしています.夏らしい,開放的な雰囲気だが,訪れる人たちも
どちらかといえば,upper-middleクラスが多いようだ.





NYにもパリのVelibのようなレンタサイクルが展開されていた.2年前はなかったので,最近のことなのだろう.
"citi bike" という名前だ.システムも自転車の規格もvelibそっくりである.ここ数年の,世界の大都市スタンダード
facility になりつつありますねぇ.





はい.NYらしい風景ですね.これは High Line の近くです.





World Trade Center ビルも姿・形が現出してきましたね.近日中にopenだろうか.詳しくは,こちらを.







さて,NYから9時間で,学会会場のRio de Janeiroに来た.これは学会会場前の海岸.この時期はブラジルは
学校の冬休みにあたっている.この写真からは想像できませんがね.





Rioはまさに『奇観』の街である.これはロープウェイで登った,Caminho Aéreo Pão de Açucar (発音忘れました)という
標高200mの丘からの風景.街を見下ろす例のキリスト像は雲に隠れて見えない.
このロープウェイは,1912に半分完成,そして1913年に全通したとか.つまり,今年は丁度開業100年なのだ.
この景観の動画はこちら.





ロープウェイ頂上の展望台で見かけた妙な動物.リスかと思ったら,マントヒヒのような顔をしているし,
尻尾はやたらと長く,観光客にもなついている.ネットで検索してみても正体不明です.





白黒のモザイク模様が有名な,Copacabana海岸である.学会のconference bagも同じ模様が.良い記念品.
ここに限らず,ブラジルではこの手の白石・黒石を配したモザイクをよく見かける.





RioのCentral駅に行ってみた.期待に反して,無粋な建築物でありました.行く価値なし.仕方ないので
ブラジル娘を撮る.ちょうど翌週にローマ法王が来られるとのことで,各地で宗教イベントが行われていました.
これもその一環らしい.





Rioにもレンタサイクルシステムが.海岸を中心にstationが配置されていた.でもちょっと貧弱な自転車.
ここもそうだけど,銀行(Itau)がスポンサーになるケースが多いのは世界共通ですね.





Rioでは,歴史博物館にも行ってみた.これはその中庭.様々な絵画を見て,ブラジルも19世紀は,
アルゼンチンや,パラグアイなどと戦火を交えたこともあったことを知る.それに,19世紀初頭は,
ポルトガルの首都であったこともあるのだ.意外でした.





よくTVなどでも見かける,Corcovadoの丘にそびえるキリスト像.標高700mの頂上に,高さ30mの
キリスト像が1931年に建造された.割と昔ですね.麓から,山岳鉄道(アプト式)で30分弱かかります.





そこからの夜景.これは市街の中心部.





これは南の海岸方面の眺め.湖沼の先の海岸が,Ipanema海岸だ.Antônio Carlos Jobimの名曲の調べが脳裏に浮かぶ.







São Pauloに来た.都市圏人口は1,100万人という,南米最大の都市である.これは中心駅で,1898年建造とあった.欧州風の大変立派な駅舎.
茶色の外壁は,地元の土の色で,テラロッシャでしたっけ? 高校の地理で習った記憶がある.





美しい構造を誇る駅舎です.しかし,RioとSão Paulo間の旅客鉄道はなく,貨物中心とか.この駅舎からは,
北に位置するブラジル第2番目規模の都市,Campinasへの旅客鉄道が中心らしい.
ちなみに日本も絡んで展開されつつあるブラジル新幹線プロジェクトであるが,想定されている路線は,
Rio-São Paulo-Campinasだ.Rio-São Paulo間が山岳地で,中間に大きな都市がないのが気になるところ.
距離からみれば,東京-名古屋-京都 ぐらいで新幹線向きの市場と見なせます.





ブラジルと言えば,エタノール車である.上がガソリン価格(2.56レアル×45円/レアル=115円/l),下が
エタノール価格(1.73×45=78円/l)ということで,エタノールはガソリンの約70%の値段.しかし最近は穀物市場
の逼迫でエタノールはだいぶ値上がりしたのだそうだ.そしてエタノールの燃費はガソリンの7割程度とのことで,
案内してもらった地元の先生(AKABANE先生:日系三世)は,『パワーが違うので,最近はガソリンしか使わないよ』と
言っていた.

彼に教えてもらった,São Pauloの交通政策:
 ・下一桁のナンバー規制: 月:1,2 火:3,4 水:5,6 木:7,8 金:9,0 が朝夕のピーク時,市内乗り入れ禁止
 ・10t以上のトラックは6:00AM~10:00PM,市内乗り入れ禁止(Truck Ban)
 ・10年くらい前から,やたらとBRT路線網が拡充された
 ・長期の交通マスタープランは存在しない.いつも行き当たりばったりの施策が連続するだけ...





中心駅付近の自転車レーンの例.これは日曜(Domingo)の7-16時に自転車に解放されるという表示.
坂が多い街なので,それほど自転車需要はなさそうだが.





件の先生に,一日,São Pauloから南に60kmほど離れた港湾都市,Santosを案内してもらった.これはSantos市内
で見かけた自転車道.車道の分離帯に自転車道を配した珍しいパターンではないだろうか.日本でも,場合に
よっては導入可能な都市もありそうだ.





SantosのPort Authorityでもレクチャーを受けましたが,この港は重量ベースでは,輸出:輸入=55:45 で,
典型的な原材料の輸出港である.湾内には,①Soy,②Sugar,③Orange Juice,④Oil,⑤Coffee などの
積み出し施設が並んでおり,感激する.この写真はなんと,オレンジジュースの積み出し施設で,停泊している
船は,タンカーのように,オレンジジュースを溜め込むタンクを持っているのだそうだ.確か,船名も,
"Orange blossom" と記されていたと記憶している.
Port Authorityの担当者の話では,『過去10年で取り扱い重量は倍増した.今後10年も倍増する予測なので,
ドンドン施設整備を進める』とのこと.国土面積が日本の22倍で,人口約2億人の国だし,十分あり得ますね.





先の写真から分かるとおり,ボートに乗せてもらって湾内を周遊しました.そのGPS軌跡が上の図.実は
ウロウロしている市内中心部は島である.船の軌跡の両岸が,がおおむねSantos港と見なして良い.





夜は港町の賑やかな酒場でビール+おつまみ.金曜夜でもあり,大変な賑わいでした.



 案内して頂いたSantos港の関係者らと記念写真.肝心のAkabane先生が写っていない...




ブラジル.やっぱり遠いです.帰りはNYまで10時間,そしてトランジットが2時間程度しかありませんでした.んで残り
14時間の羽田便.エコノミーで行くのはもう勘弁してもらいたいです.