【紹介】
私たちのグループは、電子デバイスや電機・エネルギー、プラントなどのシステム構成機器や推進動力システムに必要な高性能の電子・電気材料の創出と次世代を先導する革新的機器システムの創出をめざしています。
このために外部研究機関や産業界とコンソーシアムを形成してプロジェクト研究を推進、あるいはこれに加わって、スタッフ、学生が一致協力して取り組んでいます。
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【発端】
材料の構造組織、結晶の構造は、材料の特性を支配し、材料が構成する機器システムの性能を決めます。
流れは、原子や分子の多様な配列から生み出された結晶の作製と研究に端を発しています。
特に機械的、電気的な性質にあらわれる2次元や1次元的な特性に注目しています。
1980年代後半から世に出た高温超電導材料では、ぺロブスカイト型といわれる誘電体材料で知られていた構造に銅原子と酸素原子のおりなす2次元的な構造を見いだして、超電導の機構、超電導電流の理解、臨界電流の解明や電線の製造が急ピッチで進展してきました。
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【世の中では】
現在、我が国を含めて世界各国で超電導応用機器の研究開発が盛んです。
その理由は、LTSと言われる液体ヘリウムまたは20K以下で超電導になる合金系実用材料が成熟したためです。
医療用の診断装置MRIなどに実用化され国民の健康に寄与する一方、電力・エネルギー分野においても落雷による瞬時の停電に対応して貯蔵電力を放出して電源変動を最小限にとどめるSMES(超電導磁気エネルギー貯蔵)の効用が実証されています。
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【海へ、空へ】
船舶の推進機関でも、効率のよい機械的推進とともに、環境保全や労働環境改善、船内所要電力の増加から、発電機と電動機すなわちモータを設備して、ハイブリッドカーや電気自動車のようにプロペラをモータで回転させる電気推進船が見直されています。
しかし、推進モータは大きなトルクを必要とするため従来のモータでは体格がおおきく、これを超小型にするばかりか発電機まで小型して推進システムを小さくしようというのが超電導電気推進です。
モータや発電機の小型化はいかに磁束を大きくとり電機子電流と調和させるかにかかっています。航空機用発電機や宇宙や海中での実用化もターゲットです。
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【国境・・・ありません】
研究室では内外の機関の協力を得て、バルク超電導磁石の開発とモータの実証、さらに高温超電導線材(電線)を巻き線した磁石の開発とモータへの実装と実用機への見通しを得るなどの段階的研究を着実に進めています。
欧米の開発チームは36.5MWや4MWの船舶推進用高トルクモータを開発中で、本学グループは堅密な国際連携のもとで将来に生かせる技術の開発を教員、学生、参加企業からの共同研究員が一体となって進めています。
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