現在

○ 科研費『統合海氷厚推定アルゴリズムの構築と北極海氷分布変動の解明』 (代表: FY2019-2022)

○ 宇宙航空研究開発機構 地球観測研究センター:地球観測ミッション『AMSRシリーズ海氷モニタリングデータを用いた北極海海氷変動研究とAMSR3運用に向けての実観測データの準備と海氷速度アルゴリズムの検証』 (代表: FY2022-2024)[LINK]

 

これまで

○ グリーン・ネットワーク・オブ・エクセレンス事業
  北極気候変動分野「急変する北極気候システム及び、その全球的な影響の総合的解明」

『北極海航路の利用可能性評価につながる海氷分布の将来予測(戦略目標C)』
(代表: FY2011-2015)

『研究課題(7)北極海航路の利用可能性評価につながる海氷分布の将来予測』
(代表: FY2011-2015)

 

観測のメインは、太平洋側北極海広域をカバーする係留系観測です。これにより、北極海の主要大循環であるボーフォート循環の動態と構造を捉えます。また、海氷の慣性振動振幅変動と海洋鉛直混合の関係について、氷上からの海洋観測を行い、海氷減少の鍵を握る海洋熱フラックス変動のメカニズム解明に取り組みます。

北極上層海洋を占める海水の源は、太平洋からやってくるの水です。太平洋の水は、北極海の水よりも軽く、その主流は沿岸密度流として北米最先端のバローに到達します(沿岸海洋物理学)。その後、海氷運動によって駆動される大規模な時計回りのボーフォート海洋循環に取り込まれ、北極奥部に供給されてゆきます(海洋大循環論)。北極海内部では、海底地形と大規模な波動であるロスビー波との相互作用によって海嶺に沿う北上流が形成されます(惑星波動力学)。北上した水は、表面の融解水の直下にもぐりこむため、その影響(熱塩フラックス)が海氷に及ぶかどうかは、上層海洋の鉛直混合が重要になります(小規模スケールの海洋物理学、流体力学)。海氷の変化、大気への影響、海洋循環へのフィードバックなど、一連の研究は、地球気候の理解につながります(気候変動研究)。

手法や細分化された専門領域にとらわれず、”海”全体を、そして私たちが暮らす地球の気候を知ろうというのが、モットーです。

番号のついた丸印は、係留系設置予定位置。黄色が本学で設置予定の係留系。水色が、米国ウッズホール海洋研究所担当分。背景のカラー(等値線)は、海洋力学高度(800dbar基準の100dbar面での値)で海の気圧図に対応。中央部の値(圧力)が高いことから、時計回りの海洋循環になっていることが分かる。ベクトルはAMSR-E輝度温度から面相関法により計算した海氷速度ベクトル。海氷の動きと海洋循環のパターンはずれている。海の中の力学と海底地形の影響の理解が重要になります。黄色の3つ係留系設置予定場所は、海の流れは北向きになっています。そう、この海域が北極海で最も海氷減少が起こっている核心海域で、太平洋水が北極内部に突っ込んでゆくところです。

この先5年の変化は、二度と立ち会うことが出来ないものになると考えています。

 

○ 宇宙航空研究開発機構 地球観測研究センター:IARC-JAXA情報システム(IJIS)及び衛星データ等を利用した北極圏第4期研究 
海氷分野:『
急激な海氷減少のモニタリングとメカニズムの解明』(代表: FY2011-2014) 

○ 宇宙航空研究開発機構 地球観測研究センター:地球観測ミッション『AMSR2を利用した高空間分解能・高精度海氷移動ベクトル推定アルゴリズムの開発、および、AMSR2を利用した平坦な季節海氷厚推定アルゴリズムの開発』 (代表: FY2017-2018)

○ 宇宙航空研究開発機構 地球観測研究センター:地球観測ミッション『AMSR2を利用した一年氷の海氷厚アルゴリズムの改善および海氷分布予測』 (代表: FY2019-2021)

                                   

グリーン・ネットワーク・オブ・エクセレンス事業では、係留系を中心とした観測、氷上からの海洋観測とそれらのデータ解析を中心に研究を進めました。一方、宇宙航空研究開発機構(JAXA)との研究では、AMSR-2(GCOM-W)の運用開始に対応し、広域同時観測が可能な衛星観測データの高度化と利用を行い研究を進めます。衛星データの高度化のためには、現場観測データが不可欠です。上層海洋循環の駆動源は、海氷の運動です。海洋循環を知り、海洋の変化が海氷に与える影響を知るためには、時々刻々変化する海氷運動を正確に知っておく必要があります。

世の中には、ダウンロードできるデータが多いですが、精度が保証された海氷運動データはなく、”どこにもなく知りたい、そのために必要なもの”は自前で準備します。海氷運動といっても、様々な時間スケールがあります。本課題では、小時間スケールから大スケールの運動までに対応するリアルタイムの高精度海氷運動データセット、さらに海氷厚データセットを構築し、大気-海氷-海洋相互作用の研究を進めます。

 

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