Equipment

 

SF-ICP-MS(sector field inductively coupled plasma mass spectrometry:SF-ICP-MS)とレーザーアブレーションシステム

Thermo Fisher Element XR

 ICP-MSとは、試料溶液をアルゴンのプラズマに導入し、イオン化する質量分析法である。試料溶液をネブライザーで霧状(エアロゾル)にしてプラズマに導入すると、溶液中の元素は脱溶媒、気化、単原子イオン化される。プラズマ中で生成したイオンはインターフェイスを通過して、高真空中に引き込まれる。このイオンは、イオンレンズで収束され、質量分析計で質量/電荷数(m/z)に応じて分離され、検出器で計測される。 本装置は、磁場による二重収束型ICP-MS (ICP-SF-MS)であり、扇形電場と扇形磁場を組み合わせた質量分析となっている。これは、質量数の近い分子、例えば、窒素分子N2+とアルミニウム原子(m/z 28)を分離できる質量分解能が高い装置(分解能6000-10000)である。

 このICP-MSは一般には試料を液体で導入するために、試料の分解が必要であるが、固体試料の場合には、レーザーアブレーションで試料を微粉末にして、ICP-MSに導入することが可能である。これにより、試料の前処理を必要としないだけでなく、試料の位置情報も得られることに利点がある。

LA-ICP-MS

 

 この分析機器を使用して、金属の定量を行う場合には、試料分解の手順において、試料の汚染を生じる可能性をすべて排除する必要があります。

 ご使用の前に試料分解について、御相談ください。

 

 

FAB-MS/ESI-MS

日本電子 JMS-700

 溶液中に存在する化学種(溶液中でイオンとして存在している分子を化学形)を測定する機器である。
 この測定機器はFAB-、ESI- EI-などのイオン化源と磁場型の質量分析部から成る。 質量分析計は、イオン化法とその質量分析部によって、様々な分子に対応できる。 本分析計は、イオン化部として様々な方法に対応できる汎用性の高い測定が可能である。 質量分析計は、質量/電荷数(m/z)で検出されるため、磁場による二重収束型ICP-MS (ICP-SF-MS)であり、高分解能(60000-10000)が得られる。 例えば、FAB-MSは、溶液中に溶解するケイ酸の分子構造まで明らかにすることができる。

 一方、ESI-MSはイオン化の過程で脱プロトン、脱溶媒過程などを生じるが、金属イオンとその水和に関する状況、金属イオンと錯イオンの状況などの情報を得ることができる。
JMS700