国立大学法人 東京海洋大学 海洋科学部 食品生産科学科

ニュース記事「孫楽常さんの論文がFisheries Scienceに掲載されました

孫楽常さんの論文がFisheries Scienceに掲載されました。

 

Autolysis of krill protein from North Pacific krill Euphausia pacifica during protein recovery via isoelectric solubilization/precipitation

 

Food Science and Technology,(2014)

80:839–847

 

等電点沈殿を利用してツノナシオキアミのタンパク質を回収する際の,酸およびアルカリに溶解した肉の自己消化について検討した。pH9-12においてミオシン重鎖やアクチンの分解が確認され,特にpH12において著しい分解が確認された。pH12における分解は低温でも起こることが確認され,タンパク質の回収に影響していることが考えられた。また,ミオシンザイモグラフィーにより26 kDa (KP-1),18 kDa (KP-2),17 kDa (KP-3)の分子量の異なる主な3種類のプロテアーゼの存在が確認された。その中でもKP-3pH5-12の間で活性を持ち,肉をアルカリに溶解してタンパク質を回収する際に大きな影響を与えていることが考えられた。また,KP-3は,セリンタイプのプロテアーゼであることが明らかとなった。

(LC. Sun, YL. Chen, C. Zhong, E. Okazaki, MJ. Cao, WY. Weng, K. Osako)