国立大学法人 東京海洋大学 海洋科学部 食品生産科学科

ニュース記事「Sheikさんの論文

 Sheikさんの論文「Characterization of Acid-and Pepsin-soluble Collagens Extracted from Scales of Carp and Lizardfish Caught in Japan, Bangladesh and Vietnam with a Focus on Thermostability」がFood Science and Technology Research に掲載されます。内容は以下の通りです。

 

 温帯および亜熱帯諸国からのコイおよびエソの鱗からの酸およびペプシン可溶性コラーゲン(ASCおよびPSC)の熱安定性に関して研究した。SDS-PAGEの結果よりASCPSCがタイプIコラーゲンとして分類され、ASCの分子量はPSCの分子量より大きかった。亜熱帯の魚鱗由来のコラーゲンは、温帯魚鱗由来のコラーゲンと比較してより多くのイミノ酸を含んでいた。日本とバングラデシュのコイは同様の熱安定性を示したが、ベトナムのエソは日本のエソよりも高い熱安定性を示した。全体として、PSCは対応するASCよりわずかに低い変性温度を有し、SDS-PAGEで観察されるように、熱安定性とコラーゲンの分子量との間の関係が存在し得ることを示唆している。最大の溶解度は酸性pH(1〜4)で認められ、溶解度は高塩濃度(> 2%)で明らかに低下した。これらの魚鱗からのASCPSCは哺乳類コラーゲンの代わりに食品産業に適用できることが示唆された。

(Sheik Md. Moniruzzaman, Nur Un Nesa, Sumate Keratimanoch, Kigen Takahashi, Emiko Okazaki, Kazufumi Osako )