国立大学法人 東京海洋大学 海洋科学部 食品生産科学科

ニュース記事「齋藤さんの論文」

斎藤さんの論文「アルギン酸-ヨシキリザメ Prionase glauca肉複合ゲルの性状」が日本食品工学会誌に掲載されます。内容は以下の通りです。

 

低未利用資源であるヨシキリザメの有効利用のためにアルギン酸ナトリウムと塩化カルシウムがその魚肉ゲルに及ぼす影響を検討し、ヨシキリザメ筋肉の低ゲル形成能の改善を試みた。

3%のアルギン酸ナトリウムを添加し、次いで1%の塩化カルシウム水溶液に浸漬したゲルの破断応力は増加した。一方、アルギン酸ナトリウムを添加によって破断歪み率は減少し、アワビに近いものとなった。SDS-PAGEの結果より、ゲル中のタンパク質の重合はアルギン酸ナトリウムの濃度に依存することが分かった。

以上より、アワビのようなユニークなテクスチャーを持つ新しいゲル生成物がアルギン酸ナトリウムと塩化カルシウムを使用することで開発できることが示唆された。

(齋藤俊樹、橋希元、天野かよ、岡崎恵美子、大迫一史 Volume.19 2018 March No.1 pp.43-47)