― 小型電池推進漁船「らいちょうS」 ―
東京海洋大学は、平成23年度、水産庁などが中心となって長崎県対馬で進めている「漁港のエコ化推進を目的とした実証試験」に参加しています。6月にウォータージェット式の急速充電対応型の小型電池推進漁船「らいちょうS」を建造しました。ウォータージェット式にすることで、水面付近にロープが張ってあるような海藻の養殖水域にも進水でき、プロペラがさんご礁や水中に潜った人を傷つけることもないので安全性も向上します。このような急速充電対応型電池推進漁船の利用は、航行水域の環境保全にも大きな効果があると考えられます。
平成23年6月
平成23年5月
平成24年3月1日
ボート雑誌、ボート関係の記事を扱っている一般紙・誌、放送、Web媒体などの媒体を代表する者並びに関係者により構成される日本ボート・オブ・ ザ・イヤー実行委員会は、その年に特別なインパクトを与えたボート及び機器、システムに対して「日本ボート・オブ・ザ・イヤー特別賞」を与えています。
世界初のリチウム電池モーター駆動ウォータージェット推進船「らいちょうS」は、ゼロエミッションボートの実践研究の立場から急速充電対応型電池推進漁船の
開発に挑み続けるその姿勢が高く評価され、世界初の急速充電対応型電池推進船「らいちょうI」の昨年度受賞に引き続き、「日本ボート・オブ・ザ・イヤー2011」特別賞を受賞しました。
― ニュース ―
7月1日 科学新聞
平成23年
- 11月1日
- NHK長崎ニュース「電動漁船が島の漁業を変える」
- 9月29日
- 読売新聞(長崎)「対馬の漁港に太陽光パネル」
- 7月26日
- 読売新聞(長崎)「ソーラー漁船 実験始まる」
- 7月21日
- 西日本新聞 「電動漁船の実証試験」
- 7月17日
- 長崎新聞「電動漁船の実験スタート」
- 7月1日
- 科学新聞
「充電型の電池推進漁船 全長8メートル『排ガスゼロ』」
- 6月23日
- 日本経済新聞
- 3月9日
- 長崎新聞「太陽光で電動漁船」
- 1月4日
- 日本経済新聞
- 1月1日
- 日刊水産経済新聞
― 参画企業 ―
- 東京船舶電機株式会社
- 株式会社アルバック
- 株式会社石垣
- 中国塗料株式会社
― 概 要 ―
- 全長
- 8.04 m
- 全幅
- 2.24 m
- 全深さ
- 0.85 m
- 船体質量
-
- (軽荷)
- 1.35 ton
- (中荷)
- 1.72 ton
- (重荷)
- 2.46 ton
- 総トン数
- 1.3 ton
- 電動機推進機出力
- 25 kW
- 計画速力
-
- (軽荷)
- 14 knot
- (中荷)
- 12 knot
- (重荷)
- 10 knot
- 連続航行時間
- 45分
- (最大船速時)
-
- 蓄電池容量
- 18 kWh
- (SOC 80%)
-
- 定員乗組員
- 11名
― 特 長 ―
- 特長1:
- エンジンの代わりにモーターと制御装置を搭載し、ガソリンの代わりに蓄電池に蓄えた電気を使い走行するため、航行中の排気ガスやCO2の排出がなく、航行水域の環境保全に大きな効果がある。また騒音や振動も殆ど生じない。
- 特長2:
- 急速充電対応型リチウムイオン電池を採用しているため、短時間での充電が可能。
- 特長3:
- 推進力にはプロペラの代わりに、ウォータージェットを採用しており、水面付近にロープが張ってあるような海藻の養殖水域にも進水が可能で、プロペラが珊瑚礁や水中に潜った人を傷つけることもないので作業者の安全性は格段に向上している。
― 「らいちょうS」 記者会見 ―
- 日 時:平成23年6月21日(火)16:00〜17:30
- 場 所:東京海洋大学 越中島キャンパス ポンド