― らいちょうS「石垣島水中遠隔操縦試験」 ―

平成25年1月

 建造以来、実証実験及び越中島キャンパス(江東区)−品川キャンパス(港区)間での運航実験をもとに「らいちょうS」は改良が進められてきており、例えば「らいちょうS」は ハンディーリモコン(遠隔リモコンケーブル及び操作ノブ、ニッパツ・メック社製)が備えられ、ダイバーの前後左右のノブ操作により、水中からの操船(前後進及び左右回頭)が可能に なりました。この水中での有線リモコンの作動を確認するために、「らいちょうS」の水中遠隔操縦実証実験を平成25年1月に沖縄県石垣島において行いました。この防水リモコンのケーブル 長さは使用目的によって調整が可能ですが、今回の実験では15mにしてあります。またリモコン操作時の最大船速は船上の操作盤で設定でき、今回の実験では1ノットに設定されています。 リモコンの操作が行われないときは、停止状態になりますが、GPSと連動した自動位置保全も設定可能です。

 Figs. 1-4にその実験の模様を示します。Figs. 2, 3は水面下4 mのダイバーの視認による操船状態を、Fig. 4は、船側にダイバーがぶら下がりながらの操船状態を、それぞれ示しています。 モーター駆動であるために、微速前後進及び前後進の切り替えは容易であり、またその静穏性のために船上からの打音によるダイバーへの連絡は確実でした。またウォータージェット (石垣社製)であるために、ダイバーの船への接近が容易であり、船側にぶら下がりながらの操船にも危険性は全くないことが確認されました。この実験結果をもとに、リモコンの操作性、 ケーブルの耐張力性及び水面の船の位置の視認性の向上など、より安全性及び操作性の向上を目指した開発が今後行われる予定です。

写真1 写真2
Fig. 1 "RAICHO-S" cruising offshore from Ishigaki City, Japan's southernmost city. Fig. 2 "RAICHO-S" controlled from underwater
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Fig. 3 Diver and "RAICHO-S" Fig. 4 "RAICHO-S" maneuvered by the diver hanging on to side of the boat



"RAICHO-S" controlled from submerged diver