低炭素社会を実現するための極小エネルギー輸送体系の構築

第二層 モーダルシフト

【国際】食糧等の輸出入におけるCO2排出量の把握及び削減策の検討

【国内】内航海運や鉄道を活用したモーダルシフトに関する検討

黒川  久幸
黒川 久幸 KUROKAWA Hisayuki

海洋工学部 流通情報工学科

国際海運から排出されるCO2排出量は、世界の約3%で、ドイツ一国分とほぼ同じ、9億トン弱です。とても多く排出されています。食料や原油など海外から多くの資源を輸入している日本にとって、国際海運からのCO2排出量を削減することは、とても大切となっています。この研究では、輸出入におけるCO2排出量を推計するとともに、船舶の減速や大型化などによる削減効果について検討します。
また、国内輸送については、多頻度少量の輸送が多くなり、CO2排出量の観点から見て非常に非効率となっています。そこで多頻度少量となる商取引を見直し、輸送単位をパレットやコンテナ等の大口貨物とする方策について検討します。そして、大量輸送手段である鉄道や海運を用いた場合のCO2排出量の削減効果について検討を行います。
小麦輸入におけるCO2排出量
小麦輸入における
CO2排出量
日本の小麦の輸入額は世界第一位で、一年間に消費する量の86%を海外からの輸入に頼っています。2008年の日本の輸入量は,約580万トンでした。この内、食糧用小麦についてCO2排出量を推計したところ314万トンで、全体の19%を海上輸送が占めています。このことから国際海運からのCO2排出量が無視できない量であることが確認できました。今後は、削減策について検討を進めていきます。
小売業とs飲料メーカーの事例
小売業と
飲料メーカーの事例
店舗における発注を見直し、売れ筋商品についてまとめて発注することにより、JRコンテナによる工場からの直送を可能としました。これにより、輸送中のCO2排出量が削減されたほか、物流コストの削減にも効果があることが確認されました。工場直送ですので、消費者には新しい商品が、さらに物流コストの低減により安価に提供される期待が持てます。
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