低炭素社会を実現するための極小エネルギー輸送体系の構築

第一層 輸送流動量縮減

輸送体系のレイヤー別分類と物流政策の整合性に関する研究

苦瀬 博仁
苦瀬 博仁 KUSE Hirohito

海洋工学部 流通情報工学科

 人は電車や電気自動車など環境にやさしい交通機関を選択できますが、都市内を商品や物資を配送するときには、貨物車を利用しなければなりません。このため、貨物車の輸送距離を短くし、積載率を上げながら、環境負荷を削減する対策が幾つかあります。
  1. 交通量の発生を調整する方法(空間的な集約と分散、時間的な集約と分散)
  2. 交通量を削減する方法(貨物車の台数の削減、他の交通機関への転換)

環境負荷削減を意図した計画の事例

  1. 都心部の幹線道路での荷さばきを許容して、「うろつき交通」を削減する対策(ロンドン)
  2. 都心部への貨物車進入を一定時間規制し、別の時間帯に集約して派出ガスを削減する対策(ハノイ)
  3. 複数の企業が同じ貨物車を利用する共同配送により、貨物車の総走行距離を減らす対策(新宿、福岡など)
  4. 建物内共同配送により平均駐車時間を短縮し、効率的な貨物車運行と施設運用をおこなう対策(丸ビル、など)
環境負荷削減を意図した計画の事例

研究の内容(建物内での荷さばき施設の容量の算出方法)

  1. 貨物車の集中量(台/日)=オフィス床面積(ha)×貨物車集中原単位(25台/ha・日)+商業・飲食床面積(1ha)×貨物車集中原単位(100台/ha・日)
  2. 荷さばき駐車施設の必要台数(E)=(貨物車の1日入庫台数(A)×小型車換算係数(B)×ピーク1時間集中率(C))÷(60分÷平均駐車時間(D))
  3. 荷さばき施設の容量(u) = 駐車の必要台数面積(E)  +荷おろし用面積+台車通行路面積+荷さばき管理用面積

高層ビル内の共同配送の概念

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