蛇行から波へ

黒潮フロントは近慣性波を励起するのか

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海洋に与えられる風からのエネルギーがどのように海洋内部で散逸裏過程と均衡を保っているかについては、近年活発な研究が実施されています。まず考え得るのは海底の摩擦です。また、海底地形上を地衡流が通り過ぎる際にlee waveを生成し、エネルギーを地衡流からlee waveに渡していると考えられています。本研究では、蛇行するフロントから近慣性内部波が強制力無しに発生し、バランスした機構のもつエネルギーを波に散逸しているのではないかという仮説を検証しています。
海洋に与えられる風からのエネルギーがどのように海洋内部で散逸裏過程と均衡を保っているかについては、近年活発な研究が実施されています。まず考え得るのは海底の摩擦です。また、海底地形上を地衡流が通り過ぎる際にlee waveを生成し、エネルギーを地衡流からlee waveに渡していると考えられています。本研究では、蛇行するフロントから近慣性内部波が強制力無しに発生し、バランスした機構のもつエネルギーを波に散逸しているのではないかという仮説を検証しています。
最近の研究によって、黒潮やガルフストリーム直下の躍層で、水平流速の鉛直勾配が帯状構造をとっていることが報告されています。このような帯状の構造は内部波によって引き起こされていると考える事ができ、また同時に直接観測した数mから数mmで起こる乱流混合の強さも著しく大きい事から、黒潮直下で内部波が関与した混合過程が存在する可能性があると考え研究を進めています。黒潮直下で乱流混合が強いという事は、乱流が大きなスケールの運動にとって摩擦とてしてはたらくことから、大きなスケールの循環(例えば黒潮やガルフストリーム)のもつエネルギーを直接そこで熱に散逸していると考える事が出来ます。
この内部波のつくる流速勾配、シア流を黒潮流軸で観測するために、EM-APEXフロート
          という地球磁場を使って水平流速を測定する事が出来るフロートを研究に用いる事にしました。この測器の先端にはCTDと呼ばれる水温、塩分、圧力を計るセンサーがついています。このフロートは自律的に最大2000mの深海から海面までの
          情報を観測し、海面に浮上したらイリジウム通信を使ってデータを送受信するという優れものです。この通信時に新しい設定を送信してフロートの挙動を変える事も出来ます。EM-APEXフロートの実験はJAMSTECの研究者の方々のご協力を頂きました。
内部波のつくる水平流速の勾配を観測すると同時に、
          それらが乱流に砕けて混合現象を発生させているという仮説を検証するために、別の自律型フロートNavis-Floatに乱流を計測できるセンサーMicroRiderを付けて流軸に投入すれば、流れを追跡しながら黒潮流軸直下の
          乱流を測定する事が出来ます。
このNavis-Floatに乱流計MicroRiderを取り付けて計測を行う試みは、カナダのRockland Scientific
          の方の協力を得て行いました。この方法を最初に検討したのはRockland Scientificの技術者の方ですが、まだ現場での観測の成功例がなかったという事です。このため、Rockland Scientificの技術者と共に、三鷹の海上安全技術研究所の水槽でテスト
          を行いました。水槽は真水であるため、海水用に開発されたフロートをそのまま用いる事は出来ません。フロートに浮力を追加して実験しました。
幾度かのテスト実験を経て、JAMSTEC船舶「かいよう」を用いて黒潮流軸にてNavis-Floatに乱流計MicroRiderを取り付けて投入する様子でです。
船舶を航行させながらCTD観測を行うための測器Underway-CTDを用いた観測もこの航海で実施しました。
JAMSTEC船舶「かいよう」を用いて黒潮が励起する内部波と乱流を捉える目的で実施した航海の集合写真です。皆さんおつかれさまでした。

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日本学術振興会 科学研究費補助金

「黒潮前線が励起する近慣性内部波の発生・散逸と乱流混合メカニズムの解明」 本研究は2012年科学研究費補助金、若手研究A :研究番号 24684036から支援していただきました。

「Direct observations of microscale turbulence and thermohaline structure in the Kuroshio Front」 Journal of Geophysical Research: Oceans (1978–2012) Volume 117, Issue C8, August 2012, DOI: 10.1029/2011JC007228


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