【はじめに】
　私達の研究室は，生物の持つ素晴らしい機能（酵素，代謝，免疫等の生化学反応）を利用して，バイオセンサやバイオリアクターを研究開発し，これを環境，海洋の分野に応用することを目的に研究しています．当研究室は，研究領域も「水圏環境，生物環境，食生活環境」といった幅広い視点で研究を展開しています．研究室の詳細については，この紙面のみではとても書ききれないので，興味がわいたら，ぜひ一度話をしに来て下さい．（3号館 2F 219号室)，

e-mail:endo@kaiyodai.ac.jp

バイオセンサーとは？

　 バイオセンサーとは， 生物の持つ素晴らしい機能とエレクトロニクス技術を組み合わせて，目的の化 学物質をセンシング（ 検出，定量 ）する測定法のことです．例えばジュースの中に，どのくらいブドウ糖（グルコース）が入っているのかを知りたい時，「酵素」と「酸素電極」を利用することにより，グルコース濃度を簡単に測定することができます．下図は，グルコースを特異的に酸化するグルコースオ キシダーゼという酵素を，酸素電極の検出部に固定化してバイオセンサーをつくり，これをジュースの中に入れたときの模式図です．この時，ジュースの中にあるグルコースは，グルコースオキシダーゼの作用で酸化され，この反応の過程で酸素が消費されます．そしてこの酸素量の変化を酸素電極で測定す ることにより，グルコースの量が求められるのです．

【私の研究内容】

　私が最近手がけている研究テーマを紹介すると・・・
★魚の健康診断のための「さかなドック」の研究
★ストレスの見える化〜LEDを用いたバイオセンシング
★ヒトが環境修復した水は生き物にとって快適な水か？
★魚にとって良いストレス（Eustress）とは？
★魚の産卵時期を予測できるバイオアッセイ法の研究
★魚の雌雄判別ができるバイオセンサ
★免疫反応と磁力を利用した高感度微生物検出法の開発
★微生物を用いた燃料電池の試作

　 上記テーマをみてもらってもわかるように，本研究室では「開発研究」を精力的に行っています．したがって，自分で何かを造ってみたい，生物の持つ面白い機能を利用して何かしてみたいという気持ちがある人にとっては，とても楽しい研究室だと思います．またこのような研究は，多種多様な分野の研究者の協力が 不可欠となるため，民間企業や他大学との共同研究や受託研究も積極的に展開しています．自ら手を動かし，物を造ることが好きで，「何かを発明してみたい」，「自分の可 能性を試してみたい」と考えている人を歓迎します．

【私の教育・研究方針】

　私達は，研究室に配属された学生諸君は皆「ファミリー」だと思っています．また，大学での研究は，模範解答というものはありません．先生も学生もわからない未知のことを共に考え，共に勉強し，切り開いて行くのです．そして自分たちの研究が世の中にどのように役に立っているのか，そんなことを考えながら，自らの力で物事を創造していく努力が必要だと思います．みなさんには，研究するときは研究する，遊ぶときは遊ぶ，休むときは休む，そんなメリハリのある学生生活を送ってもらいたいと考えております．
　何れにしても研究内容や研究室のことで興味のある人は，いつでも私の部屋を遠慮なく訪ねて下さい．これから 少なくとも一年間，ファミリーとして一緒にやっていけるかどうか，discussionしてみましょう．

【卒業，修了後の主な進路】

　大学院進学，国家公務員（厚生労働省，農林水産省等），地方公務員（埼玉県，神奈川県，東京都等），大学教員（国立，私立），高等学校教員（公立，私立），JR東日本，JT，横川電気，松下空調エンジニアリング，日本水産， 明治製菓，風月堂，紅冷，ハウス食品，五十嵐冷蔵，MEGUMILK，永谷園，カネキ食品，日本海水，日東富士製粉，熊谷環境分析センター，国際医学情報センター，サクラファインテックジャパン，住友重機工業　etc..．やっている研究が多分野に渡っているので，行き先も様々です．

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