気液二相流の解析手法の開発は、宇宙空間での、燃料パイプ内流動、生活空間の熱コントロール
及び、宇宙用原子炉設計開発において、重要な問題となっています。
気液二相流の解析手法として、一般的な二流体モデルは、気液の相互作用の強さを表す界面輸送項の
適切なモデル化が必要であり、研究が進められています。
本研究では、提供される落下施設を用いて、垂直管上昇気泡流の通常重力及び、微小重力環境での気泡界面構造データを取得し、界面輸送に及ぼす重力および摩擦損失に起因する擬似重力項の影響を評価することを目的としています。
実験には、上のような実験装置を使用した。内径9mmのアクリル製矩形円管内に純水と窒素を流し、4台のカメラ(DV×3、HSV×1)でステレオ画像撮影を行った。
通常重力下
微小重力下
上の写真は通常重力と微小重力における取得された流動画像の一例を示しています。
気泡の形状を比較すると、微小重力ではより球形に近い形状となっていることがわかります。
これは低液流速条件では、液乱流による気泡の変形が少なく、かつ微小重力への移行に伴って気液の相対速度差が減少することで、気泡界面に働くせん断力が減じるためです。
現在、取得されたデータの解析を進めています。