1.はじめに 
ロジスティクスとは
管理の定義
管理の種類
意思決定のレベル
評価
	
1.1　ロジスティクスとは 

(1-1),p.17
調達、生産、販売、回収(リサイクル)

流通
	商流：金融情報、受発注情報
	物流：輸送、保管、包装、荷役、流通加工、情報

(1-2)
p.161
流通(distribution)
生産物が消費者の手に渡るためには,生産と消費を結びつける機能が必要である.この生産と消費を仲介する役割を受け持つのが流通である.
流通は,商流と物流とに大別することができる.前者は,商取引に伴う一切の活動であり,後者は,製品の物理的移動に関する諸活動をいう.両者は,相互に補完し合って流通の機能を支えている.

p.80
商流(commercial distribution)
商的流通の略称.生産された製品が消費者の手に渡るまでには何段階かの取引活動が行われる.この取引に伴う諸活動を総称して商流という.

pp.133-134
物流(physical distribution, physical flow, material flow)
つねに商的流通と結びついて行われる流通活動のサブシステム.包装,荷役,輸送,保管及び情報の諸要素からなり,物資を供給者から需要者へ良好な状態で移動させることにより,時間的･場所的価値を生み出す経済行為.
physical flow では,｢物の流れ｣すべてが対象となり,経済活動を伴わない消費者物流のような概念も派生した.
 
1.2　管理の定義 

・広辞苑（）
　①管轄し、処理すること
　　管轄（かんかつ）・・・権限によって支配すること、支配の及ぶ範囲
　②財産の保存、利用、改良を図ること
　③事務を経営し、物的設備の維持管轄をなす事

・日本語大辞典（講談社）
　①そのものが望ましい状態を保つように、必要な手段を使って取りしきること。（保存）
　②いつも良い状態に機能するようにすること。（利用・改良）
　③金品などを大事に預かっておくこと。（保存）

・情報科学辞典（岩波書店）
　「開発管理」の項：一定の資源・費用・期間の範囲内で要求通りの（中略）品質を保持しながら作業を遂行するために、作業計画や予算を立て、適切な作業環境と組織を用意し、作業実施中にも進捗を監視・調整するという管理全体を指す。スケジュール管理、費用管理、品質管理などが含まれる。

・唐沢豊「物流・倉庫部課長の職務」（税務経理協会）
　「管理とは、計画し、実施し、評価すること」
　plan - do - see (check)
 
1.3　管理の種類 

(1-a)
管理を大きく製造工程の管理や店舗施設管理に分けて整理すると、次のような内容に分類できる。

(内容）
Ⅰ生産管理
(1)生産管理概論
	①生産管理の概要
		・生産管理の基本機能
		・生産形態と生産管理
	②工場立地とレイアウト
		・工場立地の留意点
		・レイアウト（設備配置、ライン・バランシング）
	③IE(Industrial Engineering)
		・工程分析（フロー・プロセスチャート、フロー・ダイヤグラム、マテリアル・ハンドリング、プラントレイアウト）
		・作業研究（動作研究、時間研究、標準時間設定）
	④生産計画
		・需要予測（オペレーションズ・リサーチ概論）
		・線形計画法
		・日程管理（ガント・チャート、PERT(Program Evaluation and Review Technique)）
		・在庫管理
	⑤品質管理(QC:Quality Control)
		・QC手法、TQC
		・ISO9000
	⑥生産合理化
		・改善、3S、5W1H、VA(Value Analysis;価値分析)
	⑦サービス業の生産管理
		・サービス業の工程管理
		・サービス業の品質管理

(2)資材及び購買管理
	①資材管理
	②購買管理
		・ABC分析、VA、MRP(Material Requirements Planning)、発注
	③外注管理
		・外注管理の目的、選定基準、指導・管理、評価基準

(3)工鉱業技術に関する基礎的知識
	①材料
		・金属材料、非金属材料、複合材料
	②製造・加工技術と設備・機械
		・加工技術(切削・研削加工,塑性加工,特殊加工,熱処理,化学処理その他の加工技術)
		・工作機械（工作機械一般、オートメーション、ロボット等）
		・主な製品の製造技術
	③新技術
		・IT(Information Technology)
		・バイオテクノロジー
		・ナノテクノロジー

(4)廃棄物等の管理
	①環境保全に係る法規
	②廃棄物等の処理、管理（基本的技術、ISO14000）

(5)生産情報システム
	・生産業務（受注、設計、調達、製造、流通等）
	・生産情報の体系とシステム(需要予測,受注販売管理,生産計画,在庫管理,日程管理,資材管理、外注管理、品質管理、原価管理、工程管理、作業管理等の情報システム）


Ⅱ店舗施設管理
(1)店舗施設に関する基本的知識
	①店舗施設に関する法律知識
		・都市計画法、大規模店舗等立地法、中心市街地活性化法
		・建築基準法、消防法
	②商業集積と店舗立地
		・都市機能と商業集積
		・店舗立地の条件（地理的条件、商圏）
	③店舗設備
		・店舗設備と什器
		・店舗レイアウト
		・商品陳列とディスプレイ（照明、色彩、陳列、ディスプレイ）

(2)販売・流通情報システム
	・販売・流通業務（受注、調達、流通等）
	・販売・流通情報の体系とシステム（販売予測、販売計画、商品計画、仕入管理、商品管理、売上管理、在庫管理、顧客管理、倉庫配送管理、商品陳列等の情報システム）
	・POS(Point of Sales)、カードシステム、EC（Electronic Commerce;電子商取引） 等

(3)商店街と共同店舗
	①商店街の機能と施設
	②共同店舗の機能と施設（店舗構成、複合施設、施設管理・運営等）
 
1.4　意思決定のレベル 

(1-1)pp.48-50
・意思決定レベル
(1)ストラテジック（戦略的）モデル
(2)タクティカル（戦術的）モデル
(3)オペレーショナル（作戦的）モデル

(1)ストラテジック（戦略的）モデル
期間
	長期（1年から数年）の意思決定を支援するモデル
意思決定項目
	デポの位置の決定,ターミナルの位置の決定,鉄道路線の敷設計画,運搬車の購入計画,運転手の雇用計画,各デポにおける運搬車の台数の決定,顧客サービスレベルの決定など
->ロジスティクス･ネットワークのデザイン及び再編成

(2)タクティカル（戦術的）モデル
期間
	中期（1週間から数ヶ月）の意思決定を支援するモデル
意思決定項目
	サービスネットワークの設計（どのターミナル間に長距離便を往復させるか,およびその頻度の決定）,空積み運搬車の移動の決定,ターミナルにおける混載ルールの決定など

(3)オペレーショナル（作戦的）モデル
期間
	短期（リアルタイムから日ベース,もしくは週ベース）の意思決定を支援するモデル
意思決定項目
	運転手の休息,運搬車のスケジューリングの決定
 
1.5　評価 

評価主体
　需要者、供給者、第三者

(1-3),pp.214-216
評価項目
　経済性、高速性、利便性、信頼性、快適性、安全性、保健性

(1-3),p.213
評価時点
　プランニングライフ、サービスライフ、プロジェクトライフ
 
参考文献 
(1-1)阿保栄司, "ロジスティクスの基礎", 税務経理協会, 1998.5
(1-2)日通総合研究所, "物流用語辞典", 日本経済新聞社, 1992.7
(1-3)森地茂,山形耕一, "新体系土木工学60　交通計画", 技報堂出版, 1993.1
(1-4)

関連資料等
(1-a)AOKI-NET, "中小企業診断士の受験生を応援するサイト（AOKI-NET）",
     http://www.aoki-net.com/
(1-b)