石川賞 | 都市計画に関する独創的または啓発的な業績により、都市計画の進歩、 発展に 顕著な貢献をした個人または団体を対象とする(会員に限らない)。 |
受賞業績 | 都市物流計画の体系の確立と普及に関する活動 |
授賞理由 | 都市物流計画の体系を確立した苦瀬博仁氏の功績はきわめて大きい。 物流は、都市活動を支 えるきわめて重要な分野であるにもかかわらず、従来、交通計画の分野において、 人流と比較し てあまり重視されてこなかった。 苦瀬氏は、その重要性に早くから着目し、研究や諸活動を行っ てきた。「商流(Trade)が本源的需要で 物流 (Physical Distribution)は派生需要である」との本質を看破し、物流をたんに「物の流れ」 としてではなく、 「金の流れ」、「情報の流れ」などと総合的に捉える視点を確立し、経済学や 経営学等の周辺分野の知見や 人脈をフルに活かして都市物流計画の体系化を行った点が最大の功 績だと思われる。 また、物流を都市計画の中に位置づけ、物流施設、商業施設、病院といった各種施設と物流の 関係を 扱っていることも特筆に価する。 苦瀬氏の活動は、研究と実務的活動の絶妙なバランスの 上に成り立っており、 民間の物流関係企業育成のための資格試験制度への貢献も大きい。 都市における物流、という観点を初めて本格的に掘り下げて計画論として体系化した 苦瀬氏の 功績は非常に大きく、石川賞の受賞にふさわしいと判断された。 |