【研究テーマ】


  1. 都市の物流マネジメントに関する研究
  2.  都市には、生産施設や商業施設に物資や商品を配送するために、多くの貨物自動車が走行している。効率的な物流活動を実現するために都市の物流システムを 計画すべきであり、環境から考えても物流のためのTDM(交通需要)の実現が期待されている。計画例としては、広域物流センターの計画、流通ターミナルの 計画手法、物流から見た異種交通機関の連携、道路ネットワークにおける通行規制と通行誘導、物流トラフィックセルの計画などがある。

     このような視点から、都市内における物流施設計画やネットワーク計画のあり方を明らかにする。

  3. 商業業務施設における荷さばき活動の効率化に関する研究
  4.  商業施設(デパート等)や業務施設(オフィスビル)は、商品を配送する貨物自動車が集中する施設でもある。このため、流通システムの効率化や駐停 車需要管理のためには、荷さばき活動の効率化が重要であるが、施設計画においては必ずしも配送・荷さばき活動への配慮が不十分な面がある。

     そこで、ロジスティクスの効率化も可能となるような施設計画と荷さばき計画の考え方を、地区計画という視点から具体的に商業施設や業務施設を取り上げて明らかにする。

  5. 情報システムがロジスティクス効率化に与える効果に関する研究
  6.  ロジスティクスに効率化には情報システムの導入が不可欠であるが、その効果を明らかにしている例は少ない。ここでは、情報システムがロジスティク スに与える影響を、直接・間接効果、代替・相乗・補完効果の二つの視点を設定している。つまり情報システムは、商取引情報システム(受発注情報システムな ど)と物流情報システム(輸送情報システム、在庫管理情報システムなど)に分けて考える。またロジスティクスの活動を、特に物流活動(輸送、保管、流通加 工、包装、荷役)とする。

     これにより様々な情報システムや新しい情報機器が、物流活動に対して、どのように作業時間の短縮や省力化の効果をもたらすかについて明らかにする。

  7. ロジスティクスの視点からみた生産・物流施設の海外立地要因に関する研究
  8.  現代のロジスティクスは、流通の過程で付加価値を生み出すようになり、生産と流通の統合現象が顕著になっている。そして、生産施設(工場など)や 物流施設(倉庫・ターミナル)は、グローバルな視点で最適なロジスティクスを構築するように、計画されている。このとき特に海外立地においては、単に生産 コストや輸送コストだけでなく、インフラや制度に関わるコストや、品質管理などの技術水準によっても、立地が変化すると考えられる。

     このような視点から、日本企業の海外立地戦略を対象に、ロジスティクスからみた生産・物流施設の立地要因を明らかにする。

  9. 物流システムの構築と物流が都市の発展衰退に与える影響の歴史的研究
  10.  自動車や鉄道のなかった時代は、物流の多くが水上交通に頼っていた。たとえば、江戸時代の幹線輸送は菱垣廻船や樽廻船に頼っていたし、内陸部へは 河川舟運によって配送されていった。そして昭和中期まで河川舟運が活発だったため、交通結節点としての都市も、水上交通の要衝に発達した。その後、特に内 陸部での物資輸送の主役は、鉄道から貨物自動車へと転換していきった。

     そこで、物流システム構築の歴史的分析、物流ネットワークの歴史的変遷、物流交通機関の転換にともなう都市の発展と衰退などについて分析する。


≪苦瀬博仁のHPのTopへ戻る ≪物流システム研究室のHPのTopへ戻る This page last updated on 11/Apr/2007.