【研究で想うこと】


 計画とシステムについて、最近しばしば想い考えることを記し、議論に供したい。
  1. 計画の分野(Social Planning・Economic Planning・Physical Planing)
  2.  IFHPなどでは、プランニングの分野を、社会計画(Social Planning)、経済計画(Economic Planning)、形態計画(Physical Planning)の三つに分類することが多い。

    @ とすれば、形態計画(Physical Planning)に留まっていて良いのだろうか。
    A 逆に、形態計画(Physical Planning)に徹しなければならないのだろうか。

  3. 空間の分類(住・働・憩・移動)
  4.  社会学では、都市空間を住・働・憩・移動に分けている。

    @ とすれば、限られた時間と限られた能力のもとで、限られた資源を有効に活かして都市を形造っていくためには、四つのバランスが必要になるのだろうか。
    A それとも、都市計画は単機能的な計画の集合で良いのだろうか。

  5. 計画の種類(民間協力・民間企業・公共・国家保障)
  6.  石川栄耀は、都市計画を「民間協力の都市計画(商店街等)、民間企業の都市計画(駅盛り場の建設、一団地の住宅建設等)、公共の都市計画(駅前、都心等)、国家保障の都市計画(街路、橋梁等)」の四つに分けている。

    @ とすれば、「まちづくり」とは「民間協力の都市計画」と考えて良いのだろうか。
    A さらには、企業・公共・国家の計画に、市民の視点を盛り込むことなのだろうか。
    B それとも、企業・公共・国家に代わり、市民が計画することなのだろうか。
    C そもそも、四つの都市計画が対立するのだろうか、協調すべきなのだろうか。

  7. 計画の内容(企画構想・計画・設計・実施)
  8.  コルビジェは、「デザイナーとは、フランス語でいうデシトナール(図工)とは違い、すべて図面を用いる創作者であり、計画者をいう」としている。  システム工学では、システム開発の手順について、「企画構想・計画・設計・実施」と4段階(フェーズ)に分けている。計画者は図面という表現手段を用いつつも、図面に至る思考過程の表現も必要だろう。

    @ とすれば、図面と図面以外の手段のバランスを、どのように取るべきだろうか。
    A また、計画段階の認識と計画手段の認識をどのように明示していくべきだろうか。
    B さらに、企画構想から実施までの広義の計画と、そうではない狭義の計画があるのだろうか。広義の計画こそが、真の計画なのだろうか。

  9. 計画者の分類(易者・医者・学者・役者・芸者)
  10.  冗談に、計画者の5分類説(易者・医者・学者・役者・芸者)を唱えることがある。  「将来を見通す易者」、「現状を診断して治す医者」、「学を開陳する学者」、「演出家の指図にあわせて演じる役者」、「客の求めに応じて芸を披露する芸者」。すべての計画対象について、深い学識と十分な経験を持つ者は、そう多くはない。

    @ とすれば、計画者とは「何者」なのだろうか。
    A 計画者は、易者から芸者まですべてを兼ね備えなければならないのだろうか。


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