「ロジスティクス」って何?

 我々の日常生活は、さまざまな商品や製品に囲まれています。 デパートで買う洋服も、コンビニで買うサンドイッチも、自動販売機で買うジュースも、みな工場や生産地から運ばれてきます。
 このように商品や製品を、ムダがないように、効率よく「生産したり、運んだり、保管すること」を、ロジスティクスと言います。
 少し難しくなりますが、学問的には、以下のようになります。
 ロジスティクスとは、調達・生産・販売・消費を考えながら、顧客のニーズに適合させて、原材料の仕入れから半製品や完成品の効率的な流れを、計画し、実施し、管理することをいいます。 このとき、必要な商品や物資を、適切な時間に・場所に・価格で・品質と量を、できるだけ少ない費用で供給しようと考えることです。
 ですから、商品や製品を生産したり販売する企業であれば、どのような企業(製造業、卸小売業、運輸倉庫業など)にも、ロジスティクスがあります。 そして企業では、生産と販売に続き、ロジスティクスを第三の利益源として注目しており、そのための人材を必要としています。
 なお、「フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』」では、日本の代表的な研究機関として、東京海洋大学の流通情報工学科が、紹介されています。

「サプライチェーン」って何?

 サプライチェーンないしSCM(Supply Chain Management)は、商品や製品の供給者から消費者までを結ぶ「供給の鎖」のことです。
 これを企業内での活動でみると、開発・調達・生産・輸送・販売部門の一連の連鎖を示しています。 また企業間の活動では、供給業者・メーカー・卸売業者・小売業者・消費者などの一連の連鎖を示しています。
 このようにサプライチェーンの概念には、企業内の部門内最適化から企業全体の最適化へ、さらには複数の企業間全体の最適化へという目標が込められています。
 そして、このようなサプライチェーンを実現するため重要な課題が、ロジスティクスです。

ロジスティクスの勉強は?

 ロジスティクスの勉強は、工学から経営学まで幅広くあります。 アメリカなどの先進国では、多くの大学にロジスティクス専門の学科が用意されていますが、日本ではまだ限られていて、これからの期待できる学問分野です。
 東京海洋大学の流通情報工学科は、工学・情報システム・経営学の三つの面から総合的にロジスティクスを勉強する学科として日本で数少ない学科の一つであり、もっとも充実している学科と自負しています。
 本学科では、生産、販売そして消費者までの物の流れ(物流)、それを支える情報の流れ(情報流)、そして取引等の流れ(商流)の3つの視点から、ロジスティクスを総合的に学びます。
 本学科の定員は45名であり、少人数教育による実学的教育を基本方針としています。 そのため、1年から4年まで毎年次ゼミナール等を開講するなど、学生に対して親身で丁寧な指導を目指しています。 また情報基礎教育も重視し、学生がプログラミングや情報処理を十分理解できるように教育しています。
 ロジスティクスに関する教員も授業科目も、他大学に比較して非常に多く、学生が自らの指向に合わせながら授業を選択できるように、カリキュラムが組まれています。 そして本学科は、わが国および世界において、ロジスティクスのリーディング・アカデミーを目指し努力しています。 (詳しくは、学科のHPをご覧ください)

ロジスティクスでの就職先は?

 商品や製品を生産したり販売する企業であれば、どのような企業(製造業、卸小売業、運輸倉庫業など)にも、ロジスティクスがあります。
 ですから就職先も、製造業や卸小売業もあれば、運輸業や倉庫業もあり、情報システム産業もあり、まさに多様です。 就職希望者は、ほぼ100%、希望会社に就職しています。 (学科研究室のOBOGの就職先をご覧ください)
 ロジスティクスは世界的にも注目されている学問分野であり、一方で企業にとっては経営の一部として不可欠になっています。 そして我が国には、他大学にロジスティクス専門の学科が非常に少ないことから、本学科は産業界からも極めて注目されています。

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