東京海洋大学 海洋電子機械工学部門
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エジェクタ冷凍サイクルに関する研究
温室効果ガス排出量の削減を進めるには,再生可能エネルギーの導入だけでなく消費電力の削減や省エネルギーシステムを実現していくことが重要です.
一方で,太陽熱や産業廃熱など有効に利用できていない熱エネルギーが多くあります.本研究では,これらの熱エネルギーを利用した冷房の実現に向けた研究に取り組んでいます.
エジェクタ冷凍サイクルは熱を主な動力源として駆動することができる熱駆動型冷凍サイクルの一つであり,熱を利用することで消費電力の削減が期待できます.本研究では今まで有効に利用できていない低温熱源利用を目的としたエジェクタ冷凍サイクルの開発に取り組んでいます.
下の図はエジェクタ冷凍サイクルの概略図を示しています.エジェクタ冷凍サイクルでは蒸気発生器に廃熱などの熱エネルギーを投入し,高温高圧の冷媒蒸気を作り出します.高温高圧の冷媒蒸気はエジェクタに流入し,エジェクタ内で超音速流れとなります(駆動流).この駆動流によって蒸発器側から冷媒が吸引され(吸引流),蒸発器内が低圧になり冷媒が蒸発することで冷熱を得ることができます.駆動流と吸引流はエジェクタ内で混合され凝縮器に流入し凝縮され,冷媒液となって一部は膨張弁を通り蒸発器へ,残りはポンプにより蒸気発生器に送られます.
【研究助成】
公益財団法人JKA,機械振興補助事業,若手研究,エジェクタ冷凍機における新しいエジェクタ内流動方法の評価
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