国立大学法人 東京海洋大学 海洋科学部 食品生産科学科 |
ニュース記事「Jiarpinijnunさんの論文」 |
Jiarpinijnunさんの論文「High Arachidonic Acid Levels in the Tissues of Herbivorous Fish Species (Siganus fuscescens, Calotomus japonicus and Kyphosus bigibbus)」がLipidsに掲載されました。その内容は以下の通りです。
日本の主な藻食性魚であるアイゴ、ブダイ、ノトイスズミの組織(筋肉、肝臓およびその他内臓)と胃内容物における脂質クラスおよび脂肪酸の組成を調べ、安定したアラキドン酸(ARA)源を探索した。トリアシルグリセロール(TAG)、ホスファチジルエタノールアミン、およびホスファチジルコリンが主要な脂質クラスであり、各リン脂質は、TAGよりも多価不飽和脂肪酸(PUFA)を多く含有していた。ARAは全ての個体の筋肉および内臓のリン脂質およびTAGに多く存在し、特にブダイおよびノトイスズミにおいて顕著な値を示した。さらに、それらのARAレベルは、DHAおよびEPAのそれより高かった。これらの高いARAレベルは海洋魚では珍しく、藻食性魚の特徴であると示唆された。また、3種の胃内容物中における主要なPUFAがARAであったことから、高いARAレベルは餌に由来することが示唆された。以上のことから、アイゴ、ブダイおよびノトイスズミはARAに富んだ海産魚であり、安定したARA資源としての利用が可能であることが示された。
(Asada Jiarpinijnun、Soottawat Benjakul、Akasith Pornphatdetaudom、Junichiro Shibata Emiko Okazaki Kazufumi Osako 52(4), 363-373 (2017))
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