国立大学法人 東京海洋大学 海洋科学部 食品生産科学科

ニュース記事「渋谷さんの論文」

渋谷さんの論文「漁獲後輸送方法の違いが茹でズワイガニChionoecetes opilio筋肉の品質に及ぼす影響 」が日本水産学会誌に掲載されました。内容は以下の通りです。

 

 漁獲後に海水循環システム(海水循環区)およびアイスボートにより氷蔵(氷蔵区)で輸送し,煮熟,冷凍したズワイガニ筋肉の品質を比較したところ海水循環区において筋肉の保水性が高かった。海水循環区では,試料のタンパク質二次構造中のαへリックス組成比およびpHが氷蔵区よりも高かった。また,筋肉中の乳酸およびコハク酸含量が少なく,ATP含量及びATP組成比が高かった。これらの結果は,海水循環区では漁獲後輸送中にカニが苦悶状態に陥らなかったことで筋肉中のpHが維持され,高い保水性を有したことを示唆した。

(渋谷 緑, 橋 希元, 中西 聖代, 秋元 健夫, 岡ア 惠美子, 大迫 一史 )