国立大学法人 東京海洋大学 海洋科学部 食品生産科学科

ニュース記事「コウさんの論文」

 コウさんの論文「Relationship among pH, generation of free amino acids, and Maillard browning of dried Japanese common squid Todarodes pacificus meat.」がFood chemistryに掲載されました。内容は以下の通りです。

 

「空気乾燥中のスルメイカの変色を防ぐために、pH、遊離アミノ酸(FAA)の生成、およびメイラード褐変の間の関係を調べた。表面色測定において、メイラード褐変の指標となるb*値の上昇はpH 4.0-6.0で緩和され、pH 7.5-9.0で促進された。pH5.5に調整することで、b*値の増加が最も効果的に抑制された(p<0.05)。メイラード反応に関与するアルギニンの生成は、pH5.5の乾燥イカ中で抑制された(p <0.05)。リボースとアミノ酸間のメイラード反応性は、pH5.5よりもpH4.0の方が低かった(p <0.05)。これらの結果は、乾燥イカの褐変がpH5.5において有意に抑制されていることを示している。さらに、酸性pHでの乾燥イカのメイラード褐変を軽減する上で、アルギニンの生成を抑制することが、リボースとアルギニンとの間のメイラード反応性を弱めることよりも効果的であることが明らかになった。

 

Jie-Ting Geng, Kigen Takahashi, Toshiki Kaido, Masaru Kasukawa, Emiko Okazaki, Kazufumi Osako