国立大学法人 東京海洋大学 海洋科学部 食品生産科学科

ニュース記事「Ruさんの論文」

Ruさんの論文「Sweet potato starch with low pasting temperature to improve the gelling quality of surimi gels after freezing」がFood Hydrocolloidsに掲載されました。その内容は以下の通りです。

 

 通常のサツマイモでんぷん(NS)と老化が遅く、糊化温度の低いでんぷん(NSL)をそれぞれ加熱ゲルに加えて、凍結、解凍しその品質を評価及び比較した。でんぷん-すり身ゲルは緩慢凍結もしくは急速凍結され、-20℃で4週間保存された。ゲル化は微細構造、ドリップロス、テクスチャー分析によって評価した。NSL-すり身ゲルは凍結時の氷結晶および解凍後の空隙が小さく、解凍後の構造的損傷が少ないことが示唆された。解凍ドリップの量はNSL-すり身ゲルのほうが少なかったが、凍結前のドリップ量は変わらなかった。テクスチャー分析より、NSL-すり身ゲルはNS-すり身ゲルと比較してゲル強度の向上は見られず、接着性の軽度な減少が見られた。さらに、急速凍結では緩慢凍結と比較して氷結晶の大きさが小さく、でんぷんそのものの形を保持できていた。

以上の結果より、NSLをすり身ゲルに加えることで凍結時のすり身ゲルの質を向上させることができた。

 

(Ru Jia,Toyohiko Katano,Yasushi Yoshimoto,Yuanpei Gao,Yuki Watanabe, Naho Nakazawa,Kazufumi Osako,Emiko Okazaki. Volume 81,August 2018, Pages 467-473 )