形容詞は、名詞を形用する詞(ことば)で す。まずは以下の例文をご覧ください。
1. Low temperature can cause corrosion.
低温は腐食を起こす可能性がある。
2. The engine room temperature is low. 機関室の温度は低い。
3. Air conditioning keeps the room temperature low.
空調は室温を低く保つ。
形容詞には、1の low temperature のように、後に続く名詞を修飾する用法があります。これを限定用法と言います。これとは異なり、2 の low は、be動詞の後に続いて、主語の the room temperature の説明をしています。3 の low は、keep the room temperature low の形で使われ、「keep の目的語の the room temperature を low に保つ」を意味しています。このように主語や目的語の状態を説明(=叙 述)する形容詞の使い方を、叙述用法、と呼びます。2や3における 叙述用法の low は、主語や目的語の状態を補い、文を完結させる働きをしているので、補 語と呼ばれます。
be動詞の他に、後に形容詞が続いて補語になる動詞には、「~になる」を意味する become や get, 「~のままである」を意味する remain や keep に stay, 人間の感覚に依存して「~のように見える」の seem, look, appear,「~のように聞こえる」の sound などがあります。次の例文を参照してください。
This part is [becoming/getting] old.
この部品は古くなってきている。
They [remained/stayed] calm. 彼らは落ち着いていた。
Keep quiet. 静かにしていろ。
The gap [seems/looks/appears] too
big. 隙間は大きすぎるように見える。
The engine does not sound
right. エンジンの音がおかしい(正しい音がしていない)。
keep the engine room temperature low のように、後に「目的+補語」が続く動詞には、「目的語が補語だとわかる」を意味する find,「目的語を補語のままにしておく」の leave,「目的語を補語にする」の make があります。
I found the manual difficult. マニュアルは難しいとわかった。
Do not leave this door open. ドアを開けたままにするな。
Please make the coffee strong. コーヒーは濃くしてください。
最初の例文は、「難しいマニュアルを見つけた」ではありません。もしもそう言いたければ、英語では I found a difficult manual. と言います。読んでみて、「マニュアルが難しいこと」を発見したのが I found the manual difficult. という文の意味です。
形容詞と共によく使われる副詞に、very と too と enough があります。それぞれ以下のように使われます。
Heavy fuel oil viscosity is very high. 重油の粘土は とても高い。
The viscosity is too high. 粘度が高すぎる。
The viscosity is low
enough. 粘度は十分に低い。
very high は、ただ単に「とても高い」ですが、too high は「高すぎる」と「~すぎる」を表します。enough は形容詞の後に続いて「十分に~だ」を表します。
形容詞には「より~だ」を表す比較級と「もっとも~だ」を表す最上級があります。英語起源の基礎的で短い形容詞の場合には、high - higher - highest のように、比較級には -er、 最上級には -est がつきます。この際、big のように「母音字1つ + 子音字1つ」で終わる形容詞では、最後の子音を重ねて big - bigger -biggest のように綴ります。heavy のように「子音字 + y」で終わる形容詞では y を i に変えて -er, -est を続け、heavy - heavier - heaviest のように綴ります。
-er, -est をつける形容詞には、「新しい - 古い」の new - old, 「高い - 低い」の high - low, 「重い - 軽い」の heavy - light, 「大きい - 小さい」の big/large - small、「長い - 短い」の long - short、「厚い - 薄い」の thick - thin, 「熱い - 冷たい」の hot - cold, 「深い - 浅い」の deep - shallow,「狭い - 広い」の wide - narrow など、対の意味を表す中学レベルの単語が多いのが特徴です。どれも基本的な意味の形容詞です。それぞれの単語の比較級、最上級を作れるようにしておきましょう。
古くから英語にある基礎的な形容詞ではなく、ラテン語やフランス語から借用してきた、「危険な」を表す dangerous や 「大切な」を表すimportant のような長い単語の比較級や最上級は、単語の前に more と most を付けて more important, most important のように言います。
最後に much/many, little, good, bad の比較級と最上級は不規則で、以下のようになっています。
多い: much/many - more - most
少ない: little - less - least
良い:good - better - best
悪い:bad - worse - worst
形容詞の比較級は、文の中で次のように使われます。
Heavy fuel oil is heavier than diesel
oil.
重油はディーゼル油より重い。
Heavy fuel oil is more viscous than diesel
oil.
重油はディーゼル油より粘度が高い。
Exhaust temperatures are higher than usual.
排気温度がいつもより高い。
Diesel oil is less viscous than heavy fuel
oil.
ディーゼル油は重油より粘度が低い。
「いつもより~だ」の than usual は覚えておくと便利です。また最後の例文でわかる通り、less を使うと「より少なく~だ」を表すことができます。
This wire is too short. Give me a longer
one.
このワイヤは短すぎる。もっと長いのをください。
The pressure is too low. Make it higher.
圧力が低すぎる。もっと高くしなさい。
形容詞の最上級は、文の中で the を伴って次のように使われます。
The bunker price was the lowest in Singapore.
燃料油の価格はシンガポールで最も低かった。
Do not buy the cheapest tools.
Do not buy the least expensive tools.
もっとも安い道具は買うな。
英語では 「高価な」を表す expensive の前に least
を付けることによって「もっとも少なく高い = 最も安い」を表すことができます。
the + second/third + 最上級は、「2番目・3番目に~な」を表します。
Give me the second largest oil pan.
2番目に大きなオイルパンをくれ。
a little, much や a lot は比較級と共に使われ、「少しより~」「ずっとより~」を表します。
The pressure is a little higher than usual.
圧力がいつもより少し高い。
The pressure should be [much/a
lot] higher.
圧力はもっとずっと高くないとだめだ。
形容詞の原級(比較級や最上級にする前の形容詞)は as と共に使われて、「~と同じように~だ」を表します。中学の時に Tom is as tall as Bob. のような例文で教わったことがあるはずです。
The # 1 cylinder exhaust temperature is as high
as the #2 cylinder.
1番シリンダの排気温度は2番シリンダと同じ高さだ。
「2倍/3倍~だ」、「半分~だ」と言う場合には twice, three times, half を使って、以下のように言います。
This wire should be [twice/three times/half] as long.
このワイヤは[2
倍・3倍・半分]の長さでなければだめだ。
This tank holds [twice/three times/half] as
much water as that tank.
このタンクにはあのタンクの[2倍・3倍・半分]水が入る。
機関業務に必要な形容詞を、Quizlet のページにまとめてあります。こちらを参照してください。
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