8  助動詞とその用法

8.1  助動詞の一般用法

助動詞とは動詞ける詞で、肯定文や否定文では動詞の前、疑問文では主語の前で使われます。助動詞が使われると後に続く動詞は、原形(be動詞の場合には be、その他の一般動詞の場合には、-s, -es がついていない形)になります。未来を表すwill を使った以下の例を参考にしてください。

肯定文: The chief engineer will come back soon.
     機関長はまもなく戻るでしょう。
否定文: The chief engineer will not come back soon.  (will not = won't)
     機関長はすぐには戻らないでしょう。
疑問文: Will the chief engineer come back soon?
     機関長はまもなく戻りますか?。

8.2  助動詞+have + 過去分詞

cannot/can't, may, must などの助動詞の後には、have + 過去分詞が続いて、「~したはずがない」「~したかもしれない」「~したに違いない」と、過去のことがらに対する、可能性の否定、推測、断定を表します。「過去のこと、助動詞 have 足す過去分詞」と覚えましょう。次の例文を比べてください。いずれも主語は排気温度です。

The exhaust temperature cannot be so high.  「そんなに高いはずがない」
The exhaust temperature cannot have been so high. 「そんなに高かったはずがない」
The exhaust temperature may be too high. 「高すぎるのかもしれない」
The exhaust temperature may have been too high.「高すぎたのかもしれない」
The exhaust temperature must be very high.「とても高いに違いない」
The exhaust temperature must have been very high.「とても高かったに違いない」

8.3 未来や意思を表す will

will が未来を表すことは、すでに未来時制で学習しました。ここではそのほかの用法を説明します。

I を主語にして使われた will は、主語の意思をあらわし、約束に使われます。

I will help you tomorrow.  明日手伝ってあげるよ。

Will you ~?, Would you ~? で始まる疑問文で使われると、「~する意思がありますか」「~してくれますか」と依頼をすることができます。will のかわりに would を使うと、「もしも仮に頼んだとしたら」というニュアンスが生じるので、より丁寧な依頼になります。

Will you go and get the manual? 
行ってマニュアルとってきてくれない?
Would you go and get the manual? 
行ってマニュアルをとってきていただけませんか?

8.4  能力や可能性の can

I can finish the repair in an hour.
1時間で修理できます。(能力)
I can do that tomorrow.
明日ならそれができます。(都合がつく)
Can I take a break now?
一休みしてもいいですか? (疑問文で許可を求める)
Anything can happen.
どんなことでも起こりうる。(可能性)
The temperature can't be so high.
温度がそんなに高いはずがない。(可能性を否定するので「はずがない」)
The chief can't have given such an order.
機関長がそんなオーダーを出したはずがない。

Can you ~?, Could you ~? で始まる疑問文で使われると、「(都合がよくて)~できますか?」が転じて、「~してくれない」という依頼の文になります。could を使うと、would と同じように「仮に頼んだとしたら~できますか」となり丁寧になります。

Can you hand me a 22?. 
22ミリのスパナをとってくれないか?
Could you hand me a 22?
22ミリのスパナをとっていただけませんか?

8.5  義務・断定の must

You must read the manual carefully. 
マニュアルをよく読まなくてはだめだ。(義務)
Something must be wrong. 
どこか悪いに違いない。  (断定)
He must have been very tired. 
彼は疲れていたに違いない。(断定)

8.6  許可・推測の may

You may go now. 
もう行ってもよろしい。(上司が部下に許可を与える場合)
May I take a break?
一休みしてよろしいでしょうか? (Can I ~? より丁寧)
We may have to overhaul this pump. 
このポンプは開放点検しなければならないかもしれない。(推測)
Jelly fish may have clogged the strainer. 
くらげがストレーナに詰まったのかもしれない。(推測)

8.7  必然の should

You should be punctual. 
時間は守るべきだ。
I should have been more careful. 
もっと注意するべきだった。(でも注意しなかった)
I shouldn't have increased the speed so quickly. 
速度をあんなに早く上げるべきではなかった。(でも早く上げすぎた)

8.8   Shall I ~? と Shall we ~?

Shall I check the pressure locally?   
機側で圧力をチェックしてきましょうか?
Shall we take a break?
一休みしませんか?

8.9  be able to と have to

be able to は「~することができる」、have to は「~しなければならない」を表します。be able to では、be動詞の部分が主語の人称と数に合わせ、現在時制では 「is/am/are + able to + 動詞の原形」過去時制では、「was/were + able to + 動詞の原形」 の形で使われます。疑問文や否定文の作り方は、be動詞を使った文と同じです。次の例文を参照してください。

He is able to detect a faint noise.
彼はかすかなノイズを検知できる。
We were able to finish the repair in 3 hours.
我々は3時間で修理を終わらせることができた。
*このように「過去に~することにできた(=成功した)」と言う際には could ではなく be able to の過去形を使います。

have to の後には動詞の原形が続き、主語が3人称単数なら has to, 過去において「~しなければならなかった」の場合には had to + 動詞の原形 の形をとります。

He has to leave now. 彼は今出発しなければならない。
Does he have to leave now? 彼は今出発しなければなりませんか?
You don't have to worry.  心配しなくてもよいです。

We had to stop the engine.
我々はエンジンをとめねばならなかった。
*「~しなければならない」の must や should に過去形はないので、「~しなければならなかった」と言う際には、had to + 動詞の原形を使います。

英語では1つの文の中で使える助動詞は1つだけと決まっています。そこで、将来「~することができるでしょう」とか、将来「~しなければならない」と言いた い時には、未来時制を表す will と一緒に be able to や have to を使うことになります。以下の例文を参考にしてください。

We will be able to finish the repair next week.
来週には修理を終えることができるでしょう。
He will have to leave the ship in the next port.
彼は次の港で下船しなければならないでしょう。

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