tough は 短音の u の発音で gh は f と発音し「タフ」、tuff と綴ってくれればそのまま発音できるのですが、残念ながらタフな tough です。 bough (大きな枝)の発音は 「バウ」で、船首の bow と同じで、最後の gh は発音しません。
cough (咳)はアメリカ英語では綴り字 au に対応する「オー」を使い「コーフ」、イギリス英語では短音の o を使って「コフ」です。 dough (小麦粉をこねたもの)では、gh は発音されず、母音は長音のo になります。
hiccough (しゃっくり)は、こう綴って「ヒカップ」と読ませるのはあまりに酷なので、hiccup という規則的な綴りを使うこともあります。cc と子音字が重なっていますから前の i は短く読み、-cup の部分は、cup と同じで、後が子音字ひとつですから短音です。
「完全な、徹底的な」の意味を持つthorough も徹底的に不規則な綴りです。アメリカ英語では or が短音の er, ir, ur に対応し、ough の部分が長音の o になり、「サーロウ」、イギリス英語では短音の u を使い、最後の母音は弱く曖昧になって「サラ」といった感じに発音されます。laugh は綴り字 au の数少ない不規則な発音のひとつで、アメリカ英語では短音の a、イギリス英語では father などと同じ「アー」と長く伸ばす母音が使われます。
through は比較的よく使われる前置詞ですから、みなさん正しく読めたはずです。 through と書くのが面倒な場合には、発音どおりに thru と書くこともあります。 thru なら長音の u が r の後に続いているので、「リュー」ではなく「ルー」で、きちんと「スルー」と読めます。
後半部分はみなさんの自助努力におまかせするとして、ough の発音は、英語を母語とする人々にとってもやっかいなのです。しかしこのような例外はあくまでも例外で、しかも子供たちが綴りを習う以前にとっくに習得している単語ばかりです。逆に言えば、例外的な綴りは、基礎的な単語に限られているということです。英語全体を見渡せば、圧倒的に規則的に読める単語の方が多く、したがって綴り字と発音の規則を覚えることは、大変役に立つことを覚えておいてください。