― 漁港のエコ化と「らいちょうS」 ―

 「らいちょうS」は、交通艇として設計された「らいちょうT」とは異なり、漁船としての利用を第一にダイバー船や調査船等を対象とした多目的船として設計開発されています。水中に 放出された舶用内燃機関の排気NOxは、水域の酸性化・高富養化による汚染を生じ、特に閉鎖性水域では大きな問題になっていますが、電池推進船ではこのような問題は生じません。

【特徴】

  1. CHAdeMO充電規格の採用により充電時間は30分以下(80%充電)
  2. 騒音・振動が画期的に少ない
  3. 排気ガスが無いため、排気ガス水中排出による海水汚染及び海洋生産物汚染が無い
  4. 高出力リチウムイオン電池を使用しているため、波や風、潮流などの影響を受ける海域であっても航行可能
  5. 油流出による海洋汚染が無い
  6. ウォータージェットの採用により浅水域航行が可能であり、ロープが張ってあるような養殖水域でも推進できる
  7. ウォータージェット推進は、海洋生物・さんご礁やダイバーを傷つけることも無いため、安全性が高く、航行水域の環境保全に大きな効果がある
  8. 遠隔リモコン(15 mケーブル)を利用した水中からの操船が可能である
  9. GPSと連動した自動位置保全が設定可能である

写真1写真2

― 主要目 ―
らいちょうS
全長
8.04 m
全幅
2.24 m
全深さ
0.85 m
船体重量
1.3 ton
電動機推進機出力
40 kW
速力
 
(1/2載荷状態)
10 kt
(満載状態)
8.50 kt
航行時間
 
(最大負荷時)
45分
(6 kt 航走時)
2時間半
蓄電池容量
23 kWh
定員
乗組員8名

― システム構成図 ―

 「らいちょうS」は、長さ15 mのケーブルに付けられたリモコン(防水ジョイスティック,ニッパツ・メック社製)により、船上・水中のどこからでも前進・後進ができ、作業をしながらの操船が可能です。

システム構成図
― モーター駆動ウォータージェット推進 ―
ウォータージェット推進装置図 写真1
ウォータージェット推進装置 「らいちょうS」のウォータージェット推進器
(リバーサ,デフレクタ部)
写真2 写真3
「らいちょうS」のウォータージェット推進器
(インテーク部とモータ部)
急速充電器接続