光 合 成


  1. 太陽光は、短い波長の電磁波から長い波長の電磁波まで、いろいろな波長の電磁波から構成されるが、緑色の波長の電磁波が一番強い(光子数が一番多い)。
  1. 植物は太陽光を吸収して、光合成を行っているが、その光合成を最も効率よく行うために主たる光合成器官である葉は通常緑色をしている。
 上記事項1、2は、事実である(授業で教えることができる)。

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 しかしながら、「なぜ葉の色は光合成を効率よく行うために緑色なのか」という理由は、良くわかっていない(いろいろな専門家がいろいろな説を唱えている割にはちっともわからないこともあるのが科学だが、これもそのひとつ)。

 光を幅広く吸収するためには、色素をたくさん持つことが必要である(すなわち究極的には黒い色になる)。
 緑葉には、主に赤と青紫の光を吸収するクロロフィルと、主に青緑の光を吸収するカロテノイド(カロテン、キサントフィル)という色素が含まれている。従って、葉緑素が主として吸収する波長は赤色+青紫光と青緑光であり、緑色光は吸収されずに反射される(すなわち緑色に見える)。

 上述のように、太陽の光には緑色が最も豊富に含まれるが、緑葉はこの豊富に存在していると考えられるエネルギー源を避けていることになる。
 緑色光は赤色光のように光子を豊富に含んでいるわけではないし、青色光ほどエネルギーが大きくもない。豊富に存在している緑の光を利用しないことによって、エネルギーを浪費しているように見えるが、実際にはより栄養価の高い赤と青の光を利用する事に力を注いだのだと言えるかもしれない。しかしながら、これも緑色の光を避ける決定的理由になっていない。

 一方、紅藻などは、上層の緑藻や植物プランクトンによって赤と青の光が吸収された後の緑色の光をフィコビリンで吸収している(アサクサノリは500nm〜650nmの範囲の光に対してはかなり効果的にエネルギーを回収している)。
 ここで、水中では短波長の光ほど透過力が強い(赤色光より緑色光の方が深くまで到達する)。したがって、光合成が開始された海洋において、海洋深層で緑色光を利用した光合成を行う植物のために、海洋表層の植物が緑葉によって緑色光は反射し、この豊富なエネルギーを残してやった(のかもしれない)。陸上の葉っぱが緑色をしているのはその名残である(のかもしれない)。

 また発芽時の植物は緑色光を多く取り入れることがわかっており、人工光による植物育成にも利用されている。したがって、葉っぱで緑色光を反射させることにより、周囲の植物の発芽を促している(のかもしれない)。

 また光合成の速度は温度に依存し、30℃程度の暖かい時に最も光合成が盛んになる。地球が温暖だったころ、葉緑素による光合成を効率的に行うために余分な熱エネルギーになる緑色光を拒否するために、葉っぱを緑色にした(のかもしれない)。

 光合成は複雑な化学反応であるが、その反応の一つ一つを調べてみると必ずしも最適な効率の化学反応になっていない(なぜその反応をするのか、ほかの酵素を使わないのか)。たまたまその反応になってしまったのか、進化の過程で何か理由があってのことなのか、良くわかっていない。
 しかしながら、植物による光合成は、現行最も有効な炭素固定反応(二酸化炭素吸収反応)であり、人工光合成の研究はいろいろな分野で積極的に行われているが、未だ植物の域まで達していない。

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