従来のCTD観測は、船舶をとめて実施します。このため、観測点が増えると膨大な時間が必要です。一方で、船舶を航行させながら 観測する手法も実用化されています。例えば、CTDを胴体に抱え、船舶を航行させながら曳航し、翼を使って上下する測器(Aqcuashuttle、SeaSoar)や、
センサーに導線をつけて航行中に投棄し、回収はしない投棄式センサー(XBT、XCTD)などです。
近年アメリカで開発されたCTDには、XBTやXCTDと同様に船舶をほぼ通常通り航行させながら投入し、回収できるものもあります。 このリンクに、そのようなタイプのCTDの観測風景の動画があります。
以下のURLに先日2012年6月18日に八丈島周辺で観測した、CTDデータをおいてあります。 データは既に、カンマ区切り で保存されていますので、Excelでそのまま読み込む事が出来ます。このようなカンマ区切りのファイルをCSV(Comma Separated Values)ファイル と呼びます。
CTDデータ。 CTDdata2012June18.csv
ダウンロードしたらデータをExcelで開きましょう。 データを開くと、最初の41行にデータの諸情報が書かれています。その後、B列目にはデータ番号、C列目に電気伝導度、水温、圧力、塩分、密度、落下速度、ポテンシャル水温、水深、等が続いています。
データが開けたら、まず水温の鉛直分布図を作図しましょう。 鉛直分布図とは、縦軸に深さ、横軸に水温などの測定項目をとった図です。 まず水温の鉛直分布を作成しましょう。深さデータが記載されている、J列目のデータを全てマウスを使って選択して下さい。 その後、「挿入」タブの「グラフ」の「散布図」を選択し、線のみで示されているグラフの絵をクリックします(図の参照 )。
すると図の様な(図の参照 )グラフが挿入されると思います。実線で示されているのは、センサーがそのときに海中にあった深さです。
深さを縦軸にとり、横軸を水温とするためには、データを追加で読み込ませなければなりません。 そのためには、グラフに図示された深さのデータを右クリックし、現れたメニューから「データの選択」を選んで下さい(図の参照 )。
すると、データソースの選択ウィンドウが表示されます。 ここの左にある「系列1」が、先ほど読み込んだ深さのデータです。 この「系列1」を選択し、「編集」ボタンを押します(図の参照 )。
すると「系列の編集」というウィンドウが立ち上がりますので、「系列1」だと分かり図来ので、系列名を「水温」としましょう。 また、先ほど選択した深さのデータは、「系列Yの値」として読み込まれている事が分かります。水温の鉛直分布をかかせるためには、 「系列Xの値」に水温データを読み込む必要があります。
そのためには、「系列Xの値」の右の方にある青っぽい升目に赤い矢印がある絵のボタンをクリックし、Excelのシート上の、D列にある水温データ をマウスで選択しましょう(図の参照 )。選択後、「OK」を押します(図の参照 )。
つづけて、「データソースの選択」ウィンドウでも「OK」を押します(図の参照 )。
すると横軸は水温、縦軸は深さを示す図が描かれました。
しかしこのままでは、海面付近のデータが図の下の方にきてしまい、直感的に分かり図らくなります。 そこで、縦軸を反転しましょう。軸を反転するには、軸をダブルクリックして「軸の書式設定」ウィンドウを 立ち上げます(図の参照 )。このウィンドウ内の「軸のオプション」中で、「軸を反転する」 にチェックを入れて「閉じる」を押せば、軸を反転する事が出来ます。
次に、軸のラベルを追加しましょう。手っ取り早くするには、図を選択した状態でアクティブとなる「図ツール」 内の「デザイン」タブにある「グラフのレイアウト」中で、一番左にある絵ボタンを押します(図の参照 )。
すると、縦軸と横軸にラベルが追加されるので、クリックして編集しましょう。 例えばこの場合、縦軸のラベルは、「深度」、横軸は「水温」となります。