国立大学法人 東京海洋大学

東北マリンサイエンス拠点形成事業 課題2 テーマ7

目的


河口域における河川プルームと潮汐との関係を明らかにし、混合とそれに伴う物質輸送(フラックス)を定量的に評価する。これらの結果をパラメータ化し、2次元および3次元の数値モデルにより現象を再現する。

次に、陸起源の物質が湾内および湾外へ拡散する詳細な状態を究明する。また、観測を継続し陸起源の物質が湾内の水質をどのように変化させ、湾内の養殖漁業に影響を与えているかを調査する。

背景


沿岸域は大洋の大きさに比べると高々10%にも満たないが、その経済的な重要性は極めて高い。

物質が沿岸域で輸送され広がっていく過程を充分に理解しなければ、複雑な沿岸域における諸現象を予測することができない。また、河口域における河川プルームと混合現象に関する研究は、現在注目をあびている問題のひとつであり必要性が高まっている。

岩手県・宮城県・福島県沿岸の水深20mから海岸までの数kmのエリアでは、物質輸送を観測した例がほとんど無く、何も分かっていないのが現状である。このことは、河川水がプルームとして流出する状態を時空間的に捉えること及び混合状態の同時測定が困難であったためである。

我々が開発した微細構造観測プロファイラー (TurboMAP) と曳航式CTDプロファイラー (Yoing Ocean Data Acquisition profiler, YODA) を用いることにより、詳細な断面観測が可能である。特に、YODAによる観測は、通常のCTDでは観測できないような水深2m~10mの海域において、数十mの水平分解能をもつ観測が可能である。また、湾内から湾外にかけての計測は、Underway-CTDを利用することにより広範囲の断面観測が可能である。

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