動かしてみる

 Pythonxyの開発環境を使い,コードを書き,実行する.

開発環境の起動

 デスクトップにある図のようなアイコンをクリックして開発環境を起動する.スタートメニューにもショートカットがあるかもしれない.

Start icon on desktop

開発環境Spyder

 Pythonxyのホーム画面が現れる.Shortcutsタブにある蜘蛛の巣マークを押すと開発環境Spyderが起動する.SpyderはMATLAB風の環境を提供してくれるそうである(が,当方はMATLABを使ったことがない).  左側半分はエディタ,右下にあるのはコンソール.

Start spyder

コンソールで命令を実行

 まずはコンソールで命令を実行してみよう.起動直後のコンソールには,Pythonのバージョンやインポート(組み込み)済のモジュールの名前が書かれている.

Console

Note

普通,モジュールは明示的にインポートしてからではないと,その機能を使うことができない.

「Hello, world!」と印字する

 コンソールの「>>>」の後に以下のように命令を書く.これは,コンソールに「Hello, world!」と印字する命令である.命令を記述後,続けてEnterキーを押すと命令が実行される.

>>> print ("Hello, world!")
Hello, world!

命令を書いた行の下に,(“ ”)の間に挟まれていた文字列「Hello, world!」が出力されている.

足し算と割り算

 電卓代わりにもなる.

>>> 2+15
17
>>> 10/3
3
>>> 10/3.
3.3333333333333335

Note

二つ目の命令は整数同士の割り算である.3.と書くと3.000....,すなわち実数(というか,有限の桁で表された小数(float型))になる.整数割る実数は,実数同士の割り算とみなされる.三つ目の計算の結果から計算機が扱う数には有効桁があることがわかる. *3.系では整数型の割り算結果もfloat型になっているようである.

 いろいろ試してみよう.

>>> 0.1 + 0.1
0.2
>>> 0.1 + 0.2
0.30000000000000004
>>> 0.01 + 0.02
0.03

 二つ目は,不思議な結果である.これはコンピュータの中で,数値が2進数で扱われていることに起因するらしい. コンピュータの中で数値が実際にはどのような値で扱われているのか見てみよう. 少し先取りであるが,最初の命令でモジュールdecimalの中の機能Decimalを呼び出している.これを使うことで実際の数値を知ることができる.

>>> from decimal import Decimal
>>> Decimal(0.1)
Decimal('0.1000000000000000055511151231257827021181583404541015625')
>>> Decimal(0.1+0.2)
Decimal('0.3000000000000000444089209850062616169452667236328125')
>>> Decimal(0.3)
Decimal('0.299999999999999988897769753748434595763683319091796875')

Note

ということで,出力されている数値は,実際に扱われている数値を丸めたものであるということを知っておこう.