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6 日本の村張り定置網技術の移転による途上国の漁村コミュニティ振興 途上国の沿岸域では漁業者の持続的水産資源利用への意識が低いまま、多様な沿岸漁業が無秩序に行われている現状にある。そのために、漁獲量は減り続け、漁業者の所得水準は低く、生活が困窮している。沿岸域の安定的な漁業生産と漁家経営を目指すには、持続的な漁業技術の導入と漁業者の組織化が重要であり、水産資源と漁場の管理を維持する沿岸域の漁村振興を可能とするツールが必要となる。このためには、日本の漁村で長い伝統を持ち、漁村経済の活性化と漁場保全に大きな役割を果たす「村張り定置網」の導入が有効である。沿岸域住民の合意形成の上での漁場管理を前提とした、日本の定置網漁業を紹介し、個々に操業する漁業者の協業化を促進させ、沿岸域の漁獲努力量を削減するとともに、地域コミュニティによって漁業経営体を組織することで、住民の収入が安定し、沿岸漁村振興が実質的、効果的に促進されることが期待される。
1 水産動物の行動生理学と漁獲技術への応用に関する研究  漁具に対する対象生物・非対象生物の行動を刺激−反応系として捉え,その機構を生理学的に解明することで各種漁法の漁獲過程を理解し,それぞれの操業要素段階での反応行動を制御することで漁獲技術の改良を目指している。
5 漁獲ストレスに関する行動生理学的研究  漁獲行為を受けた個体のストレスについて,血中コルチゾル濃度や心拍数変化を指標とした解析を行い,時間経過によるストレスピークの出現や回復過程について魚種別,漁業種別に検討を進めてきている。
4 魚類の遊泳生理に関する研究  魚類の遊泳能力について,普通筋と血合筋の機能分業による遊泳測度や疲労の問題を扱い,環境水温や成長段階による能力差について調べてきている。
3 魚類の視覚生理に関する研究  魚類の視力や視野について生理学的,行動学的な測定を行い,環境の光条件による漁具の見え方の違いや,成長にともなう視覚機能の変化について調べてきている。
研究活動
2 漁業の混獲問題とその回避技術に関する研究  混獲投棄による資源の無駄遣いをなくすために,各種漁法での混獲を回避するための技術的な研究,そして漁具を脱出した個体が受けるストレスや疲労について明らかにし,影響を最小にする望ましい逃がし方についての検討を行っている。