制御システム設計論
ガイダンス
                              

この授業は制御理論特論というタイトルで設定していますので、ここでは理論的なことについて説明します。

制御工学の本が最近沢山出版されて、いろいろな方面から制御工学を書いています。でも、一冊の本だけ買ってきては、ごく一部の内容しか読み取ることができません。これって制御が分かったと聞かれたら、よく分からないと答える。本来、制御という技術は、一つ特定のシステムに対しては、さほど複雑なものではないです。たとえば3年生の実験でやったモータの回転数制御とか、エレベータのシーケンス制御とか、皆できたでしょう。でも、本を読んでわからないのが、どっか可笑しい。正確にいうと、制御理論の本がわかりにくいですよ。どうしてでしょうか? 

話を戻る。個別名システムに対して、さほど難しいではないことは、すなわちその制御対象に適切な制御方法を1つ見つければ目的は達成します。ところが、制御理論が目指すのが、あらゆるシステムに共通な設計法を提案しようとすることです。もし出来たら、ほんとうに素晴らしいことです、そのときは、キット一冊の本にまとめられるでしょう。残念ながら、まだ不可能の状態ですので、現実制御理論の研究結果はばらばらになって、あるところが一般性があっても、あるところが特別なケースしか解決してないのが現状です。線形制御、非線形制御、うんぬんのような理論の枠組みはこの辺の現状です。その結果、さまざまな本が出来て、似たような、でも違う本が沢山出ています。それぞれある側面について重点的に書いているのです。

 このような理論研究の現状がある意味で、仕方がないことです。制御理論がなぜ必要かというと、やっぱり沢山の実際の問題があってのことで、たくさんの問題を統一的な方法が研究できればいいですが、出来ないときは、やっぱり出来る部分だけ検討するのが自然であり、そういう意味で、制御理論の発展はまず問題あり、新しい問題が出たから、新しい理論を研究してきたので、最初から理論体系などという考えは無かった。したがって、多くの本のなかの一冊だけ読んでも制御がわからないのが仕方がないです。

 現在のところ、線形制御に関しては、ある程度理論が進んでいて、一定の理論体系も作られています。そして、非線形制御に関しては、いくつかの主な研究方向があります。各方向の共通する部分は、エネルギーによってシステムの安定性を判断するものです。 それで、私はこの授業で、以下のような内容について講義していこうと思います。

講義内容

線形制御について
    1、状態方程式
    2、状態方程式の解
    3.状態方程式から読み取れる情報:可制御、可観測、安定性    4.状態フィードバック制御(レギュレーター): 
       極配置
    
5. 最適制御
     6. 安定化制御則の一般系
     7.モデル誤差の対処:LMI
    8. H無限大制御の考え方と解の求め方

非線形制御について
   9. 現象から見る非線形制御の方法
   10  同上

新しい制御の試み
  11  新しい制御: Fuzzy
  12  ニューラルネットワーク
  13  GA探索手法