高度デマンド信号制御方式(ADS方式)

Avanced Demand Signals scheme(ADS方式)の概略

ADS方式とは,“車両のリアルタイム位置情報” を用いて交通信号を制御する信号制御方式(図1参照)です.この方式では各車両の位置に基づき,信号表示を決定します.つまり車両が信号を制御します.

少し具体的に説明を行うと,車両の位置に基づいて算出したデマンド評価値を用いて信号表示を決定します.このデマンド評価値は交差点に近い車両ほど強いものとしています(ここでいうデマンドとは,“(ドライバの)要求”を意味しています).

そして,各車両は進行方向の信号の青を希望するものと考え,各車両のデマンド評価値を“主道路の青信号を希望するデマンド評価値”“従道路の青信号を希望するデマンド評価値” のどちらかに加算します.そして,これらを比較し,大きいほうの信号を青信号にします.

このような制御を行うことで,閑散時は車両の進入に合わせて信号が適切に決定されるため,信号待ち時間が大幅に削減可能です.混雑時においても多数の車両の位置に基づいて信号を決定しているため,結果として統計量に基づいた制御を行うことになります.

麻生は,このADS方式を改良したADS-II方式などの研究を行いました.


ADS方式の前提

インフラ(信号機)が時々刻々(例えば1秒刻みで)、利用者(車両・歩行者)の位置情報を得られる.

現在,リアルタイムな位置特定や通信に関する研究は多く行われており,実現可能性が示されています.位置データの取得方法は,通信で取得しても,交差点に設置してあるカメラを使っても,構いません.


ADS方式の研究のオリジン

▲ 加藤泰典,長谷川孝明 “車両により制御される交通信号-交通信号のパラダイムの転換-,”電子情報通信学会技術研究報告,ITS2000-33,pp.67-71,Sep., 2000.
● Yasunori KATO and Takaaki HASEGAWA, “Effect of Advanced Demand Signals Scheme,”IEEE 54, Vehicular Tecnology Conf., 7-11 Oct., 2001.
★ 今井洋介,加藤泰典,長谷川孝明,“高度デマンド信号制御方式,”電子情報通信学会論文誌, Vol.J88-A No.1, pp.62-70 , Jan.,2005.


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