=SUM(IF(条件1,1,0))のようにします。 この条件が例えば、セルの領域、A1:C6までのセルのうち、数字が5以上 であるという条件である場合、
=SUM(IF(A1:C6>=5,1,0))となります。しかし、このまま「Enter」keyを押すと
#VALUE!となって、計算が出来ません。これは、IF文の条件式では、通常一つのセルしか参照できない からです。上の例の場合、A1:C6までの配列を指定しています。 配列とは、数学の行列の様な ある行と列からなる数字のグループです(図の参照 12.3.10)。
この様な場合は、 「Control」+「Shift」を押しながら「Enter」を押し、計算が配列を想定して行うものである事を Excelに理解させなければなりません。
皆さんに作表してもらったデータで、このことを演習してみましょう。 ランクインした大学の内、大学の種類が「FO」であるものは何校ありますか? SUMとIFを使って「Control」+「Shift」を押しながら「Enter」を押すのを 忘れずに、求めてみましょう。さて、この結果はCOUNTIFを用いたものと 同じになるでしょうか?
条件がひとつだけである上の例では、COUNTIFを用いる方がシンプルです。 しかし、COUNTIFは条件が一つしか与えられません。一方、SUMとIFを併用 する場合、用いる事が出来る条件数は限りがありません。また、次節で説明する COUNTIFSは、配列に対して2つ以上の条件を課して、それら全てを満たす場合の 数をカウントしますが、2つ以上の条件のいずれかを満たす場合や、複雑な条件 の設定が関数中ではできません。ここでは、SUMとIFを用いて、やや複雑な条件設定を クリアする場合の数を数えましょう。
例えば、大学の種類が、「FO」または「SP」である大学はランクインした大学中に 何校あるのかを計算する際には、二つの条件式を足し算記号で足し合わせて、条件式を 書きます。即ち、
のように書く事になります。「FO」または「SP」である大学
の場合、「1」とし、それがSUMで合計されます。この場合も
配列をIF文で指定していますので、「Control」+「Shift」を押しながら「Enter」を押す
必要があります。
(コピーして使う事を想定していなければ、
図の様なマーク(図の参照 12.3.10)を範囲の指定時に使う必要はありません。)
さて、もう少し複雑な条件でSUMとIFの併用を考えてみましょう。 例えば、「条件1」または「条件2」を満たすもののうち、「条件3」を満たす 場合の数を数えるには、以下の様にする必要があります。
=SUM(IF( (条件3)*( (条件1)+(条件2) ), 1, 0 ))ここで、条件1と3は足し算記号で組み合わされ、それらが全て大括弧で括られています。 さらに、その大括弧と条件3がかけ算記号で組み合わされています。前節と同様、IF文条件中の かけ算記号(
)は「かつ:AND」、足し算記号(+)は、「または、OR」を表します。
この条件設定を用いて、大学の種類が「FO」または「CO」である、アメリカ「US」の大学数 をカウントするには、以下の様に書きます(図の参照 12.3.10)。
ここで、D列にはランクインした各大学の国名が書かれてあり、また、AC列には、別に作成した国別の統計表の国名が記載されています。
AC2には、「US」が記載されていますので、条件3は、「D3:D37="US"」 と同一であることが分かります。
また、図の範囲指定は、行についてで絶対参照されていますので、これを国別統計表で下にコピーすれば(図の参照 12.3.10)、条件3のAC列の参照
が一個ずつ下にずれますので、大学の種類が「FO」または「CO」である大学数を国別に数える事が出来ます。