12月のロサンゼルス.30度近い日もあり,さすがCalifornia気候です.
これは今回の視察の主目的,ロサンゼルスのUnion駅.1939年に完成した駅舎で,
コロニアル風の,Californiaの青空によく似合う建築物です.




Union駅の待合室.時代がかった椅子が印象的だ.
今回の視察は,この駅に停車予定のCalifornia新幹線,いわゆる
High Speed Railway (HSR)の関連業務.日本の新幹線技術をいかに
アメリカにSalesできるか...という趣旨です.




LA市内の交通を統括するMetroという交通組織が入居している高層ビル(25階).
何ということはないが,Californiaらしい青空に映える色づかいかも.パームツリーも
味を添えている.繰り返すが,12月とは思えない.




そのMetroが展開する公共交通キャンペーン.兵藤が1年アメリカに滞在した頃は,
LAの公共交通は閑古鳥が鳴いており,空気を運ぶシステム...との印象が強かった
(1997年頃)が,今は想像以上にLRTには乗っているようだ.それだけ,
公共交通網は,手を変え品を変え充実しつつあると思う.もちろん,分担率は5%程度で
まだまだ主要な交通手段にはなっていないが.




LAから30kmほど南東に位置するAnaheim市の駅.一応,SFからここまでがHSRの路線
として計画されている.夕暮れのAnaheim駅からLAまでAmtrakに乗る.乗車時間は
約50分で,$11. HSRなら20分なので,東京−新横浜ぐらいか.




そのAnaheim駅の目の前にあるのが,このAngelsスタジアム.今シーズン,松井が活躍した球場だ.
アメリカらしい,大規模で派手なデコレーションが楽しい.しかし,この球場以外は駅周辺には
目立った施設はなく,HSRの利用促進には一段の工夫が必要となりそうだ.




1997年の秋,建設中だったこのAlameda CorridorについてヒアリングするためにLAに
来たことを思い出す.そして所々で巨大な鉄道貨物の姿を目にして,溜息が出た.
Alameda Corridorは,Long Beach港と,内陸のDry Portとの連結を鉄道で実現する,
巨大都市圏物流システムである.この3線貨物専用線が,その二十数km間をつなぐのだ.
アメリカの鉄道貨物の姿,その動画はこちら.
これで130両近い編成なので,編成長は2km以上となる.通過には2分強を要した.
先頭の牽引機関車4両というのもスゴイ.Double Stackはまるで「走るカベ」のようです.




郊外のLRT路線駅を出ると,こんなフィーダーバスが走っている.自転車を先頭部分に
かかえるバスですね.日本でも,昨年から神奈中バスが茅ヶ崎で運行を開始しているとか.
ここで紹介されていました.ママチャリも可能か? あまり似合わんが.




LRT駅付近で見かけた自転車収納ロッカー.珍しい形をしています.
これは16角形となっているが,二つを組み合わせて長方形とか,半分の半円形とか,
場所に合わせて提供している.残念ながら,出し入れしている光景は見かけなかったが,
使い勝手はどうかな? ちょっとスペースを取り過ぎかも.日本のEco Cycleなどを
PRしたくなりますね.




これも自転車を積んでいますが,実はただのバスではなく,BRT(Bus Rapid Transit)です.
そう,LAにもバス専用道を持ったBRTがあるのでした.感激.
路線は,話によると昔の貨物線を転用したのではないか...とのことですが,住宅地を
縦断しているので,違うかも.この走行空間は,一般車も自転車も入り込むことができない
バス専用道です.




そのBRT路線の横に,自転車道が設置してある.空間が余ったのであろうか.
ずいぶん昔の原稿にも書いたが,Californiaはそこそこ自転車走行空間整備に力を
入れている州ではあるのだ.




似たような話ではあるが,これも自転車道(Bike Path)である.横をAmtrakが走行している.
以前は複線であった区間を単線にして,余ったところをこのスペース供用したようだ.
これは,LA北西部のSymar-San Fernandoという駅付近の写真.割と坂道を登ったエリア
なので,GPSで確認したところ,高度340m程度であった.LAは割と山々に囲まれた都市だ.




LA市内の "The Grove" というショッピングモールに立ち寄る.クリスマス前の日曜午後で
あったため,大変な人手でした.これは,その中を走行する一つのイベント施設でもある
トラム.以前,上海編で紹介した,南京路のトランジットモールにコンセプトは似ているが,
数百m区間を一時間に一回程度往復するだけなので,トランジットモールには値しないか.
でも,商業地開発には参考にして欲しい交通の『仕掛け』ですね.動画はこちら.




さすがアメリカ,パーキングメーターもクレジットカードに対応しているし,残り時間表示も
液晶です.ん? $1硬貨の表示もありますね.今は,$1硬貨もだいぶ流通しているのでしょうか.
十数年前は,コインパーキング対策のため,常に車に数十枚のクオーター(25セント硬貨)を
フィルムケースに詰め込んで常備していたことを思い出した.




市内中心部で,以前はせいぜい駐車場など,スラム化していた地域だったが,リッツカールトン
高層ホテルや,大規模なコンベンションセンターなどを建設した,真新しい商業地区.
この暑いのにスケート場があったりする.未来型の構造物や,大規模な液晶スクリーンなど,
目もくらむアミューズメント空間となっている.まさにアメリカ流のド派手演出.
その動画はこちら.




訪れたのがクリスマス2週間前でもあり,街中,いたるところで赤・緑・白に彩られたイルミネーション
を目にすることになる.これはビバリーヒルズの,とあるショーウィンド.

今年もそろそろ終わり.今回は自転車に乗ることができなかったが,レンタサイクルの一年で
ありました.来年はどうでしょうか.

ちなみに,今回現地調査のとある一日の移動行程のGPS(Google Earth)表示はこちら.
1秒単位の測位なので,描画に時間がかかります.参考まで.