研究内容

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【 概  要 】

機械や構造物には、荷重を受け持ちながらすべり合う面(摩擦面)が多数存在します。このような摩擦面の摩耗をはじめとする表面損傷を防ぎ、また円滑な動作を付与することは、機械の寿命の向上、高精度化、高信頼性を達成させるために必要不可欠です。当研究室は、このような観点から関連する基礎的な研究を行うとともに、いくつかのメーカと共同で実用レベルの研究を行っています。

研究テーマ 1)

【摩擦改質技術を用いた海洋環境対応摩擦材の開発に関する基礎研究】

●金属等の固体粉末を、摩擦を利用してコーティングする技術を開発しました。右の図は、その技術の中でも、丸棒に直接コーティングできるようにしたものです。

●得られた材料が、海洋環境中で優れた摩擦材として使用できるかどうかについて、研究を続けています。

研究1

研究テーマ 2)

【摩擦改質技術を用いた機能性表面の創生に関する基礎研究】

●丸棒に直接固体粉末をコーティング可能な右の図の改質装置を用いて、様々な金属やセラミクス等の粉末を適切にブレンドして、新たなトライボ特性を持つ表面が出現しないか、研究を続けています。

●得られた表面は、何種類かの摩擦摩耗試験装置でその特性を調べています。

研究2

研究テーマ 3)

【表面微細加工による船舶海洋往復摺動部材のトライボロジー特性向上に関する研究】

●表面に規則正しいくぼみや溝のパターンを形成させ、「油溜まり」や「油の通り道」とすることによって、トライボ特性を向上させようとしている研究です。

●対象としては、舶用ディーゼル機関のシリンダライナ/ピストンリングを想定して、摩擦や接触状態の波形観察等の基礎的な調査を行っています。

研究3

研究テーマ 4)

【表面微細加工によるトライボ表面の創生に関する研究】

●右の図は、自作の表面微細加工装置で、規則正しいくぼみや溝を表面に形成させることができます。

●この装置を用いて、いろいろなパターンの表面を作製して、トライボ特性がどのようになるのかを、摩擦摩耗試験装置で実験して調べています。

●優れたトライボ特性を示す「奇抜な表面パターン」が、新たに発見されるかも知れません。

研究4

【アコースティックエミッション(AE)を利用した材料の表面強度に関する研究】(〜2009年度)

 固体にクラックや塑性変形が生じると、蓄えられていたエネルギーが解放され、弾性波が発生します。この現象を利用することにより、接触荷重や摩擦力が作用したときの固体表面強度をリアルタイムで調べるための基礎研究を、修士論文のテーマの1つとして行っています。

研究2009

【関節ブッシュのしゅう動特性に関する研究】(〜2008年度)

 ロボットをはじめ、機械には往復動を受け持つ関節部分が多数あります。そこの摩挙動は、摩耗によるガタの発生に加え、異常音の発生に密接に関係しています。これに関する基礎研究をメーカと共同で、かつ修士論文のテーマの1つとして行っています。

研究2008

【鋭角圧子押込みによる材料の凝着現象とその応用】(〜2007年度)

 材料の凝着現象は、摩擦や摩耗現象の根幹を成すものです。この現象のメカニズムの解明とその応用を、やはり博士後期課程学生の研究テーマの1つとして行っています。

研究2007

【海中散歩ビークルの開発】(〜2006年度)

 4年生で行う卒業研究として、「海中散歩ビークルの開発」をテーマに取り上げています。これは、自転車に乗る感覚で、 誰でも気軽に海中を自由に散歩する乗り物をつくりたい、という夢を追いかけているものです。このビークル製作を通して、在学中に学ぶあらゆる知識 を総動員して、自ら考え、自ら創意工夫して、工学における「ものづくり」の大切さを学びます。その経験は社会に出てからも大いに役立っています。 この卒業研究は、大学院への進学の動機付けともなっており、また様々な機械応用力学の研究に必要となる実験装置を開発する上で大いに役立っています。

研究2006

【押込みによる材料の機械的特性評価】(〜2005年度)

 博士後期課程学生の研究テーマとして、硬球などを材料表面に押込むことにより、そのヤング率や降伏強度を測定するシステムを構築しています。このシステムを、開発した3次元接触変形解析手法と組み合わせることにより、薄膜のヤング率測定に応用することもできます。

研究2005