志摩 政幸(しま まさゆき)

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職名 名誉教授
所属・学部/学科 海洋工学部/海洋電子機械工学科
所属・大学院/専攻(博士前期) 海洋科学技術研究科/海洋システム工学専攻
所属・大学院/専攻(博士後期) 海洋科学技術研究科/応用環境システム学専攻
授業科目と概略 材料力学

海洋電子機械工学科 2年次 必修

安全で効率のよい機械や構造物を設計・製造するために必要不可欠な学問であり, 外部作用に対して機械や構造物がどのような応答(内部に生じる応力や変形)を示すかを調べる学問.
トライボロジー

海洋電子機械工学科 3年次 選択

機械や構造物には荷重を受け持ちながら相対的に滑りあう部分が多数存在する. そのような部分の摩擦や摩耗を減らし,長期間スムーズに機能する摩擦面を設計し,維持することを 主な目的とする学問.様々な学問分野が関係する学際領域の学問.
専門分野 トライボロジー
機械応用力学
学際領域の学問であるトライボロジーを,機械工学をベースとして取り組んでいる.具体的には, 固体表面の強度,接触力学,摩擦・摩耗などに関する研究にたずさわっている.
研究概要・テーマ 1)「接触変形を利用したヤング率測定機の開発」 材料のヤング率は機械や構造物の設計に必要不可欠な材料常数であり,一般には引張試験で測定されている. この研究では球などを材料表面に押し込んでヤング率を求める測定機を開発している.
2)「コーティング膜の密着強度測定機の開発」 摩擦・摩耗特性を改善するためにコーティング膜を用いることが良く行われているが, そのキーテクノロジーの1つは下地と膜の密着強度である.この密着強度を簡易に調べる測定機を開発している.
3)「コーティング膜のフレッチング摩耗特性に関する研究」 接触する固体間に微小な相対すべりが繰り返されると,フレッチング摩耗と言われる損傷が生じる. この損傷を防止するために施したコーティング膜の耐摩耗特性を調べている.

その他

  • コーティング膜によるフレッチング摩耗防止
  • フレッチング条件下の異常音発生に関する研究
  • 難加工材のヤング率
  • 膜ヤング率測定機の開発
  • 薄膜を有する固体の接触変形解析とその応用
  • 内燃機関しゅう動部の摩耗に及ぼす燃焼ススの影響
  • 実用環境下における摩擦材の凝着力測定とその応用
  • 海中散歩ビークルの開発
  • フレッチング摩耗試験機の開発
技術相談分野 機械要素の摩耗、特にフレッチング摩耗に関する事項、難加工材(バルク/膜)のバルクヤング率・薄膜のヤング率測定、膜の密着強度測定など
共同研究希望課題
  • フレッチング摩耗試験機の開発
  • 海中散歩ビークルの開発
共同利用可能な設備
  • SEM
  • レーザー顕微鏡
  • 高面圧摩擦摩耗試験機
  • ヤング率測定機
  • 膜密着力測定機
特許
  • 「丸軸表面の改質方法及びこれに用いる改質装置」特許第5289990号
  • 「ヤング率測定装置」 特許第3905746号
  • 「膜密着力測定装置および膜密着力の測定方法」特許公開2006−126139
  • 「玉軸受」 特許公開平9−324820
主な著書・論文

[著書]

  • 志摩・地引:「海技に携わるエンジニア・学生のための材料力学 」,海文堂出版(平成28年)
  • 志摩・地引他:「はじめてのトライボロジー」, 講談社(平成25年)
  • 志摩・地引他:「摩擦・摩耗試験機とその活用」,日本トライボロジー学会編,養賢堂(平成19年)
  • 志摩他:「機械工学便覧デザイン編β4機械要素・トライボロジー」,日本機械学会(平成17年)
  • 志摩他:「普及版トライボロジーの解析と対策」,株式会社テクノシステム(平成15年)
  • 武藤・志摩他:「フレッティング摩耗と疲労要覧」,工業資料センター(平成9年)

[解説・随想]

  • 志摩:フレッチング研究に取り組んで, 東京海洋大学研究報告, 第12号 (2016), pp. 1-3.
  • 志摩・ 二村:熱処理援用摩擦改質技術, 機械の研究, 第67巻第6号 (2015), pp. 466-471.
  • 志摩:フレッチング抑止対策, 機械の研究, 第66巻第5号 (2014), pp. 363-370.

[論文]

  • K. Nimura, T. Sugawara, T. Jibiki, S. Ito, M. Shima: Surface Modification of Aluminum Alloy to Improve Fretting Wear Properties, Tribology International, Volume 93, Part B (2016), pp. 702-708.
  • 二村・伊藤・菅原・志摩:アルミニウム合金と鋼の接触対に対するフレッチング挙動, トライボロジスト, Vol. 60-1 (2015), pp. 60-67.
  • 志摩・黄・根田・菅原・地引:SUS304鋼に被覆されたDLC膜のフレッチング摩耗-海水中における摩耗特性とその改善, 日本マリンエンジニアリング学会誌, 第49巻, 第2号(2014), pp. 98-105
  • 志摩・菅原・根田・秋田・地引:炭素鋼の耐食・耐摩耗性改善に関する基礎研究, 日本マリンエンジニアリング学会誌, 第48巻, 第2号(2013), pp. 112-118
  • 志摩・根田・菅原・伊藤・地引:Cr-Mo鋼に被覆されたDLC膜の海水中における耐摩耗性改善, 日本マリンエンジニアリング学会誌,第47巻,第2号(2012),pp. 139-146
  • 伊藤・志摩・菅原・地引・秋田・雨澤・大貫:海洋環境下における摩擦材の開発に関する基礎研究-粉末の摩擦により付与された改質層の摩擦摩耗特性, 日本マリンエンジニアリング学会誌,第45巻,第2号(2010),pp. 269-275
  • 志摩・地引・菅原・伊藤・秋田:摩擦による丸軸表面への硬質膜の創成とその摩擦摩耗特性, トライボロジスト,Vol. 54-5(2009),pp. 343-351
  • 元田・志摩・佐々木・三宅:一様分布圧力モデルによる膜を有する表面の接触剛性解析法と硬質薄膜のヤング率測定, トライボロジスト,51巻,6号(2006),pp. 463-467
  • 志摩・元田・地引・佐々木・三宅:球の押込みによる金属材料の降伏強度測定に関する研究, トライボロジスト,50巻,4号(2005),pp. 346-353
  • 元田・地引・志摩:ヘルツ接触変形に及ぼす表面粗さの影響, トライボロジスト,49巻,4号(2004),pp. 355-362
  • 元田・志摩・佐々木:球の押込みによる耐摩耗被膜のヤング率計測システムの構築, トライボロジスト,48巻,6号(2003),pp. 503-510
  • 志摩・元田・地引・菅原:球/平面の弾性接触変形を利用した材料のヤング率測定装置−ヘルツの接触理論に基づく測定機について−, トライボロジスト,47巻,8号(2002),pp. 663-670
  • 志摩・岡戸・I.R.McColl・R.B.Waterhouse:The influence of substrate material and hardness on the fretting behaviour of TiN, Wear, Vol. 225 (1999), pp. 38-45
  • 志摩・末武・I.R.McColl・R.B.Waterhouse:On the behaviour of an oil lubricated fretting contact, Wear, Vol. 210 (1997)
  • 志摩・レイキシュン・山本・佐藤・R.B.Waterhouse:Design effects on the fretting behaviour of ball bearings, Tribology International, Vol. 210 No.10 (1997), pp. 773-778
  • 志摩・木村:Role of amplitude in fretting wear of steel, Proc. ITC, Yokohama (1995)