原子分子スケールの動的な挙動を扱うのに適したシミュレーション手法、分子動力学法を用いて、 実験では観察不可能な微視的な現象の再現、メカニズムの解明を目指している。将来は、潤滑剤分子の選定・設計等に 役立つツールとしたい。

・固体表面近傍での潤滑剤分子の存在形態



固体壁面上に塗布されるフッ素系ポリマー潤滑剤(PFPE)の存在形態を分子動力学法で解析。


たとえば…
500Kの加熱処理による,潤滑膜の平坦化

詳しくは…
Kentaro Tanaka, Katsumi Iwamoto, Takahisa Kato,"Dynamic conformations of fluorocarbon molecules on magnetic hard disk surfaces with charged sites",Microsystem Technologies,vol. 13, No. 8-10,pp. 1169-1174(2007)[→Publisher]


・固体壁面間に挟まれた潤滑膜のせん断



固体壁面間に挟まれた潤滑膜分子を強く圧縮して,せん断をかけると…



摩擦力がスティック・スリップ振動をする。
摩擦力のスリップと壁面-潤滑膜間でのスリップが同期している。

詳しくは…
「Kentaro Tanaka,Takahisa Kato,Yoichiro Matsumoto,"Molecular Dynamics Simulation of Vibrational Friction Force Due to Molecular Deformation in Confined Lubricant Film",ASME Journal of Tribology,vol. 125,Issue 3,587-591(2003)」
「田中健太郎,加藤孝久,松本洋一郎,"固体壁面に挟まれた高分子膜の流動構造(第1報,流動構造のせん断速度依存性と分子の配向)",日本機械学会論文集B編,70巻692号,pp. 831-838(2004)[→CiNii]」など