弾性流体潤滑(Elasto Hydrodynamic Lubrication：EHL)とは、固体面に挟まれた潤滑油にGPaオーダーの非常に高い圧力が発生し、それに伴って固体面は弾性変形をし，内部に高応力が生じているような極めて厳しい潤滑状態をいいます。
本研究では、弾性流体潤滑条件下に置かれたコーティング膜を対象とし、下図に示すモデルを考えています。下地材の上にコーティング膜が施されており、その上を潤滑油を介して球が転がりすべりをする場合を考えています。
下図にコーティング膜がない場合の解析例を示します。
また数値解析結果の検証実験を行います。
近年、しゅう動面をトライボロジー特性の優れた材料で被覆し、その改質を図る技術が進歩してきています。そのような技術の実用化には、皮膜（コーティング膜）の強度や内部応力に関するデータが必要です。
そこで、本研究では弾性流体潤滑（ＥＨＬ）状態に置かれたコーティング膜を対象とし、油膜圧力、油膜厚さ、および内部応力を数値解析により調べ，コーティング膜の設計指針を得ることを目的としています。
