指導教員選択のための資料

私のベースは、沿岸流の力学、渦力学、海洋循環力学です。(大学に入るときは、気象学をやろうと思っていたのですが、海洋物理-->極域-->気候学の世界に進んでしまいました。結局、地球をやりたいという原点に戻りつつあります。)

地球の自転が本質となる現象であれば、手法や対象海域は問いません。理論、モデル、大気海洋相互作用、日本近海、太平洋、北極までOKです。海洋大循環論の発祥地は北極海です。これまで行ってきた北極海研究の多くは、世界の大洋、海に共通の海洋物理学を基本にしたものです。私の学生時代の研究から、北極研究に至るまでの歴史を書いてみました【LINK】

また、日本の北極海研究の歴史を、「極地」という雑誌に書きました【LINK】。まだまだ創成期にある分野であることが分かると思います。

2011年11月、日本では初めて大型の北極研究プロジェクトが始動しました。

研究室という枠を超えて、本学は、その中核である"海洋・海氷"の研究を担います。主担当教員のみならず、学内外、国内外の研究者、同世代のライバルから学ぶことを期待します。

北極観測は、海外の砕氷船(カナダ沿岸警備隊砕氷船 Louis S. St-Laurent、韓国極地研究所砕氷船 Araon)に乗船し実施します。流暢である必要はありませんが、英語でのコミュニケーションは必須になります。時間がかかっても、筆談でも、意志を伝えることが大切です。9月になれば、極寒環境での観測になります。体力は必要ですが、諦めない気持ちがあれば大丈夫でしょう。自分の持ち場は自分でという姿勢が大切です。自ら主体となって観測し、自らの土産を、そして相乗効果を発揮し、新しい知見を掴んでゆきましょう。
以下は方針です

@好奇心と自主性、チャレンジ精神を望む。
A地球流体力学、海洋物理学の素養を大切にする。
B事前に見透しを立て、現場では海をよく観て観測する。
C複雑なものを複雑なまま捉えるのではなく、単純に説明できること、
 自身が分かったという実感を目指す。
D全体像を捉える力、問題設定力を高めることを重視する。

興味がある学生は、訪問ください。


現在進行中のプロジェクト


参考までに考えているテーマなど。基本的には、学生の意向を尊重します。
(a)大気極渦の挙動・偏西風のブロッキング(理論&コンターダイナミクス・モデル)
(b)深層対流が促進される条件(理論+データ解析:グリーンランド海&日本海)
(c)北極海に供給される高密度水の分類(冷却による高密度化と結氷による高密度化の条件)
(d)エクマン層の直接流速観測と鉛直運動量拡散係数の推定(海底エクマン、海氷下エクマン)
(d)南風が吹いて海氷が減ったのが先か? 南風をセットアップする海氷減少が先か?
(e)ポテンシャル渦度と溶存酸素の関係
(f)北極海への太平洋水流入経路のスィッチング、海氷運動場との関連
(e)海氷の慣性振動と上層海洋混合
(g)海氷運動変動と海洋構造変動の関連
(h)ポテンシャル渦度を用いた太平洋水の分布とその変動に関する研究
(i)力学モードを用いた沿岸係留データ解析。正確な沿岸密度流流量と熱フラックスの評価
  @バロー海谷&ベーリング海峡
(j)北極海沿岸域におけるい沿岸流の不安定と”太平洋水が外洋に輸送される条件”の確定
(k)アリューシャン列島周辺の大気海洋相互作用(潮汐混合による海面水温低下と霧)
(l)北極海主要海嶺上の、流れの強化プロセス
(m)北極海沿岸の流れの不安定(海氷の影響も含めて)
(n)南極と北極の気候変動(変化)の違い、地球表面状態の東西非対称性に注目して
(o)北極海における二重拡散の経年変動と大西洋水流入変動
(p)二重拡散による位置エネルギー解放と運動エネルギーへの転化、〜大西洋水循環の駆動源を探る〜
(q)海洋鉛直熱(→海氷)フラックスの経年変動
(r)海氷運動と海洋循環流量及び水平熱フラックスの経年変動
(s)夏季の海氷分布の推定、北極海航路可否判断予測
(t)軌道データを用いた、慣性周期を分解する海氷運動データセット構築とその検証
(u)ユーラシア大陸域の降雪量と夏季の大気・海氷循環の関係
(v)沿岸水の外洋への輸送過程
(w)海氷上のメルトポンドの発展と海氷減少率の変化(一年氷、積み重なり氷、多年氷)
(x)海氷寿命と海氷厚および凹凸の関係
(y)海氷の積み重なりによる海氷厚増大
(z)経験的なパラメタリゼーションを含まない衛星データを用いた一年氷の厚さ推定法の構築
(*)伊豆海嶺と黒潮の相互作用と相模湾内への温水(低渦位水)の流入プロセス
(*)黒潮流路パターン変動の推移と蛇行波長の関係
(*)上面移動境界(海氷)がある場合の、風成循環の強制-散逸と平衡状態
(*)海氷分布条件に依存するストームトラックおよび傾圧不安定波の挙動(北極低気圧)
(*)いろいろ


海洋学コース」関連科目を履修ください。
* 気候変動の世紀における体系的海洋学教育プログラム
* 本学の智を発信する取組/智と環境(地球環境変動と海洋観測:地球温暖化への対応における地道な海洋観測の重要性)

連絡先
*************************************************************
〒108-8477
東京都港区港南4-5-7 
東京海洋大学 海洋科学部 海洋環境学科 環境システム科学講座
9号館501号室
TEL&FAX 03-5463-0465(直通)
Email:
*************************************************************

 

アクセスカウンター
テレクラメル友メール占い出会い不倫